見出し画像

家を買った話(後編)

前編では一生賃貸派だった私が、いろんな思いをもって家を買う方向に動き出す話を書いた。

では後編スタート。

予算と希望の折り合いと、私のキャリアプランに悩む

家探しには時間がかかるらしい。
確かに我が家も時間がかかった。検討しはじめて4年かかった。
頭金を貯め終えるまでに時間がかかったというのもあるけれど、それよりなにより、予算と希望条件の折り合いを付けるのに時間がかかったのだった。

私がもともと一生賃貸派だったというのもあり、買うにしても返済に無理のない、ペアローンじゃなくて済む物件にしたかった。私は当時世帯主で収入が高かったけれど一生ハードワークする自信もなかった。子育てをフルタイムで乗り切れるかも心配だった。
だから低予算。
けれど最初のころ、内心、低予算以外にも色々な欲(よく言えば希望)をかいていた。

  • なるたけ築浅がいい

  • マンションは古くなると建て替えが大変らしいから一軒家がよい

  • 老後も考えて高低差は少ないほうがよい(3階建てや家前の階段はNG)

  • 私がペーパードライバーだし駅から近いほうがよい

  • できればバスに乗りたくない

私の住む地域はこの条件で低予算は難しい。
予算の範囲で済める家には、どこかしら希望と合わない条件があった。

私はぐらぐらしはじめた。
やはり仕事を頑張って、ちょっといい家に住もうか、、、。
でもやっぱり子育てもしてフルタイムは、いまは自信がない、、、。

仕事が順調な時はポジティブになるし、
繁忙期で大変なときは「やっぱり無理!」となった。
ぐらぐら。なかなか決まらない。腹がすわってないうちは、
条件を取捨選択するのは難しいのかもしれない。

最後は神頼みに近くて、「東京オリンピック後に土地の値段が下がるかも」とかなんとかいう噂にすがってみたりする。
結果は、特に何も起きなかった。
どころか色々あって値段があがっていった。

私のモチベーションはどんどん下がった。
なんとか時間切れしてくれたらいいなぁ。そう思ったけれど、パートナーの気持ちは変わらず、それに引っ張られて、私も私なりに、湯水のごとくお金を使う生活を徐々に改め、淡々と目標に向けて貯金を増やしていった。(なおパートナーはもともと貯金体質)

私の休職騒動が転機になってご縁ができる

今年の夏ごろ、色々悪いことが重なり、私は適応障害になって休職することになってしまった。

休職した直後は、自分のキャリアへの自信をいっさい失っていた。思うように体は動かないし、良くなったと思った翌日は気分が悪くて布団に突っ伏すしで、もう私は満足に働けないかもしれない、と悲観しまくっていた。
体調不良とネガティブバイアスに苦しむ、それが適応障害という病気なのだった。

休職して2か月目。ちょっと回復はしてきたけれどまだ体力は戻り切っていないある日、転機がやってきた。

悲観した私は、パートナーに切り出した。
もう、家も、二人目の子供も、無理かもしれない…諦めてほしい。

パートナーはちょっと怒ったようだった。
一度休職しただけで、どれもこれもできないなんておかしいと。

私は、病気なんだから弱気なのはしょうがないじゃんとぷりりとしつつ、
「まてよ、病気のせいで悲観的になってるだけで、言うとおりかもしれない」
とも思うようになった。

よくよく夫の今の年収を思い出した。
あれ、、意外と、、いけるんじゃね?

恥ずかしい話なんだけれど、私は家の購入を、年収の高い自分が頑張らなきゃいけないって思いこんでいた。
でも夫だって、日々ちゃんと仕事を頑張っていて、年収はあがっていた。私は自分の仕事に必死すぎて、数字は知ってたはずなのに、認識できてなかった。
私の人生は、夫婦になった瞬間から、私だけで頑張るものではなくなっていたのに。

欲をかかなければ、もしかして家を買えるかも。
無心でSUUMOに希望エリアと希望予算上限(ただし無理なく支払える範囲)を入力し、ピッと検索。

そして表示された物件の一つに、今私は住んでいるのだった。

この一件で学んだこと

予算を腹に決めないと条件は緩和できない

休職を経て低予算でいくしかないと腹にきめたことで、結果的にいくつか欲や見栄をあきらめて条件を緩和し、結果住宅購入に至った。
節約するなら予算は大事。住宅でなくともこの法則はあてはまりそうだ。家計管理を今後もしっかりしたい。
休職は大変だったけれど、一つ無理をしない生き方に向かっていくにはよいきっかけだったと思う。

住宅との出会いはほんとご縁

物件を探していた頃、中古マンションにすれば予算は下げれるけれど、古すぎたり見るからに設備老朽化していて、今からローンを組むにはちょっと,,,という物件ばかりだった。
それが、作りも設備も丈夫で資産価値がわりあいありそげな駅近中古マンションを予算内で見つけられたのはご縁とか運としかいいようがない。
あの日喧嘩してしょんぼりして、でも心機一転SUUMOを開かなければありえなかった結末だ。

夫婦の化学反応面白い

楽天家のパートナー(夫)と、慎重な私。
私だけの人生だったら絶対選択しなかった選択を今回した。
家がちょっと広くなって、設備もリフォームされていてキレイ。
娘を遊ばせる空間ができたし、お風呂もリラックスできるようになった。
こういうお金の使い方も悪くないな、と今は思っている。
そういう考え方の変化がある、夫婦という生き方は面白い。
夫にとっても私とだからできる選択をしているはずだ。(住宅購入に関する前知識はおおむね私がリサーチした。)

マンションは買って終わりではない。これからも大変なことがあっても協力して、独り相撲にならないように、リスペクトをもって、大事なところはちゃんと本音を伝えあって暮らしていけたらなと思う。


おまけ。
色々感慨ふかすぎてポエマーになった引っ越しの日(^^;