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「世界の絶景」     6.島           その1 ガラパゴス諸島


1.進化論の島・ガラパゴス諸島(エクアドル)

 ダーウィンが進化論を着想したガラパゴス諸島。
 「ガラパゴ」とはスペイン語で「リクガメ」のことで、ガラパゴスは「ゾウガメの島」という意味。
 5~10百万年前の火山活動(ホットスポットの活動)で出来た諸島で、現在も火山活動が続いててる。
 1978年に世界自然遺産第1号に登録されて以来、その素晴らしい自然を見るために、観光客は増加の一途をたどった。
 2006年には14万9,000人にも膨れ上がり、環境汚染や外来生物の繁殖、横行する密漁など多くの問題が持ち上がった。これらに対して有効な対策を講じられていないと判断され、2007年6月、危機遺産リストに登録された。
 しかし、その後のエクアドル当局の取り組みが評価され、2010年の第34回世界遺産委員会で危機遺産リストから除去された。
 現在は年間65,000人までとエクアドル政府により規制されている。

2.プエルト・アヨラ

 ガラパゴス諸島の中央に位置し、人口が一番多くて経済の中心地にもなっているサンタ・クルス島プエルト・アヨラに4日間滞在した。
 この町は歩いて全部回れるほど小さいが、レストランやカフェ、土産屋などが建ち並ぶ観光の町となっている。
 ホテルに隣接する浜辺にはウミイグアナが巣作りや繁殖に精を出したり、魚市場では野生のアシカやペリカンがおこぼれを待っていたり、近くの港ではすぐ足下をマンタやサメが悠々と泳いでいたりと大自然の上にお邪魔するように作られた人間の町である。

3.バルトロメ島

◆噴火でできた絶景

 諸島随一の眺望を誇るバルトロメ島は、およそ30万年前に噴火によって出来た島である。
 溶岩が噴出したそのままの風景の中を頂上へ向かう。海岸から頂上まで木道の緩やかな上り坂と低い階段がつづき意外に楽に頂上に着いた。
 頂上から西方、サンチャゴ島サリバン湾の溶岩流を望む。ガラパゴス諸島の中では最も良く知られた風景である。西の端に突き出した岬には、南北の浜に白砂が広がり、その間にはマングロープとソルトブッシュが茂る。
 島の北岸には火口のまわりに飛びだした溶岩が降り積もってできた「スパターコーン」がみえた。

頂上からサリバン湾を望む
スパターコーン

◆イルカに出会う

帰りのクルーズ中に船のうしろでジャンプするイルカに出会った。

 イルカは本当に遊び好きである。人間と同じくらい脳のしわがあり高い知性を持つと言われるイルカに本当に近くで遭遇することが出来た。
ヨットの後ろで飛び跳ねていたイルカを発見するとキャプテンは船の速度を緩めてくれる。そうすると2頭のイルカは船の先頭に回りその後5分くらい、ず~っと船と一緒に付いて泳いできたのだ。

4.北セイモア島

 空港のあるバルトラ島の北方にある小さな島・北セイモア島では、グンカンドリやイグアナなどガラパゴス固有の珍しい生き物を見ることが出来た。

◆フラミンゴ 

 バチャスビーチでは、美しい砂浜の小高いところに海がめの産卵場所があり、その向こうの湖に淡いピンクのフラミンゴが採餌する姿があった。
 国立公園の調査によれば、ガラパゴスに生息するフラミンゴは諸島全体で435羽に過ぎず、うち360羽がイサベラ島、48羽がサンティアゴ島、17羽がフロレアナ島、10羽がサンタクルス島、ということなので北セイモア島で見る事ができたのは奇跡的なのだろう。

◆グンカンドリ

 すぐれた飛行能力を持ち、他の鳥が捕った獲物を空中で襲って横取りする行動からグンカンドリと名づけられた。 
 赤い喉袋を持つのがオス。メスは胸が白い。

雄のグンカンドリ               雌のグンカンドリ

 雄は繁殖期に、目立つ喉袋を10分ほどかけて大きく膨らませ上空を舞うメスを誘う。
メスが来るまで2、3日は喉袋を膨らませた状態で食事もせずひたすら待つという。その後もしメスが来なければ、腹が減っては戦が出来ぬということで、喉袋をしぼませながら餌を取りに出かける。私もしぼんだ袋をひらひらさせてショボショボと飛行するグンカンドリをたくさん目にした。

メスがオスに近づいた瞬間

◆アオアシカツオドリ

 鮮やかな青い足をもつことからアオアシカツオドリと名付けられた。カツオドリは人間が近づいても逃げないため、かつて世界中の島で捕殺され間抜けの意味でBoobyと英語名で呼ばれている。繁殖の時期にはメスの気をひくため四股をふむようなダンスを踊る。

◆リクイグアナ

 北セイモア島にはもともと分布しなかったが、1992~33年にバルトラ島から移植された。
人間がちかづいても全く逃げない。


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