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遊ぼかね 西本喜美子写真展@epSITE

新宿エプソンイメージングギャラリーepSITEにて西本喜美子さんの写真展を見てきました!
epSITEは日曜日が休館日のため、会期最終週末の土曜に駆け込みで。

西本喜美子さんはユーモア溢れる自撮り写真を撮影している89歳のアーティスト。「自撮りおばあちゃん」としてメディアでも紹介されて、ジワジワと話題沸騰中です。

そのせいで、展示にも列が出来ていて、最後尾を案内するお姉さんもいるなど、賑わっておりました。自撮り写真の展示だけなのかな?と思っていたら、それだけではなく、色味が美しい写真の数々も展示されていて、心が弾みました。

ほら、遠景で見るだけでもとっても綺麗でしょ!自撮りとはまた全く雰囲気が違う写真だったので、はじめは違う写真家の作品も隣に並べてるのかと思ったほど。増田セバスチャンもいいけど、西本オバアチャンもキラキラカラフルな世界観があって素敵!(言いたかった)

写真の他にデジタルアートも展示されていて、これがまた楽しんで製作されたんだろうな〜ってことが伝わってくる作品群。ちょっとギョッとするような抽象画なのだけれど、なんだか昔のパソコンのスクリーンセーバーのようにも見えてきて惹き込まれるというか、私は結構好きでした。

こういったデジタルアートを見終えると、ババーン!!と西本さんが降臨します。デジタルアートからの、自撮り写真の展示のコントラスト、楽しい。混沌とした世界に突如現れた救世主感。なんだか宗教みたいでとてもよい。

自撮り写真の展示は本当に面白くて...!どれも西本さんがすごく楽しんでいる良い表情をされているので、見ている私も思わず顔がにこにこ緩んできます。「遊ぼかね」の展覧会タイトル通り、一緒に遊んでいる感覚になれます。他のお客さんも皆、笑ったり、可愛い!シュール!と声をあげたり、思い思いに感想を言いあって愉しげでした。自分が写真展に普段あまり行くことがないのもあるけれど、写真でこんなに人を和ませられたり笑顔にさせたりできるのってなかなかないことのような気がする。すごいことだ。

車と同じくらいの速さを出しているスーパーおばあちゃん西本さん。本当に心嬉しくなる良い笑顔!運転手役の方の表情も最高です。

ハロウィン?魔女?浮いてるよ?仏壇?いろんなカオスを詰め込みながらもひたすら愉快なエンタメ作品。

この写真も可愛さが過ぎるし、妖精になって鳥と対話しちゃお!っていうこの柔軟な発想も、発想したところでちゃんとそれを形として撮りに行き加工を施す西本さんのフットワークも全てが素晴らしい。1人の女性、1人の人間として尊敬する。

展示の最後には、西本さんがこういった写真を72歳からはじめられた経緯を語られたコメントキャプションがあったのだけれど、昔からカメラをやられていたご主人とのエピソードが書かれておりました。はじめは反対されたこと、でも、しばらくしたらイキイキしている喜美子さんを見て軽いカメラをくれたこと、デジタル一眼レフを買ってくれたこと...そんな微笑ましいやりとりが目に浮かぶようで、読み進めていたらある秋ご主人が亡くなられたこと、その寂しさを救ってくれたのも写真だったこと、そして、ひとりじゃないと思えたこと。さらっとした語り口、でもしっかりとした熱を持った写真家としてのコメントに胸を打たれて目頭が熱くなり、こみ上げてくるものがありました。

可愛くてユーモアがあって、子供心と挑戦心を忘れない、強く凛とした女性。西本さんの写真と生き方には、私も見習いたい点が多くあるように思いました。こんな風に年を重ねていけたらいいな。

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