2023年8月18日(金)

甲子園の休養日。色々物議を醸しつつある「夏の風物詩」であれ、やはり夏のこの時期の生活時間を規定する大きな要素になっているのでそれがないと調子が狂う、これは決勝が終わったあとにやってくる、その張り合いを失った日々の予行演習であるのだ、という妻の言に一定程度の共感を示す。駅まで歩く道中、バチェラーに対する不満をきく。立川に行き、来週会う予定になっている友達の出産祝いを選ぶ。贈り物は気持ちでしょ、という開き直りを、受け取るとき以上に発揮して、ほとんどランダムな気分で選ばれた。伊勢丹の休憩室に乳児用の体重計があり、測ると娘は7キロの大台を超えていた。必要に駆られて、というのではない皿を買い、生活に彩りを出すという行為を久々にした気分になる。鳥の絵があしらわれている小皿と、ずっと欲しいと思いながら、一人暮らしの時から合わせて八年間それを欠いたまま生きてきたレンゲを選ぶ。スシローに行き午後は家。小説は小説を読んでいる時間の中にしかないという文言を、良くも悪くも浮き彫りにしてくれるのはベケットなのではなかろうか。その時間のお供である柿の種のわさび味は、わさび味が遠くにいるのか近くにいるのか美妙に判別しがたい味をしている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?