2023年9月18日(月)

小竹向原で演劇を観る、そのためにまず池袋へ行く。幼少期、母方の祖母に会うときはほとんどが池袋だったというのと、就職してからしばらくは池袋を使っていたというのとで、独特の思い出がある。もう六年前になるが祖父の危篤の報告を、寝耳に水のように受け取ったのも池袋だった、三省堂で探した本がなく、ジュンク堂に向かうべく地下から地上に登る階段をのぼったところでそのラインを見たのだった、ということはこの日記を書きながら思い出した。西武はストライキの影響を、少なくともそこをぽっと訪れた人間から見ればまったく感じさせないように、ごくごく普通に稼働していた。

少し早めに小竹向原に行き、普通に考えれば道すがら一つはあるだろうと考えていたチェーンのカフェで作業をしてから劇場に向かおうという宛は外れた、カフェがまったく見当たらなかった、結局ガストに入ってそれをした、過剰なガトーショコラだった。ウンゲツィーファのリビング・ダイニング・キッチンを観たのだった、開演前から舞台には演者たちがいた、しかしまだ彼彼女らは役柄ではなく普通に人間としてそこにいた、くだけだ様子でしりとりなどしていた。しかしそれも、ともすれば本番以上に演技的に私には見えた、表層的にくだけだ様子を心底のものにしておきたいという感じだった。演劇自体は面白かった、乳児育児を題材の起点にしていた、そこでなされる所作や心象のディティールが解像度が高いということが、今の私にはわかった。帰りは練馬・秋津経由で帰ってきた。秋津⇔新秋津の乗り換えほど高揚する乗り換えスポットはない。

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