2022年6月28日(火)

いつも行くスターバックスのガラス張りの窓の向こうに、履いているサンダルが壊れてしまった女性の姿があった、白い厚底のサンダルで、靴底の部分と甲を乗せて固定する部分が首の皮一枚で繋がっている、その繋がりを起点にしていつまでも回転してしまう、みたいな状況になってしまったようだった。一歩踏み出すごとにその回転は彼女の意思に反して生じてしまうようだった、私がいるスターバックスと正面のマルイアネックスのあいだを通る路地のようなところで彼女は悪戦苦闘をしていたのだった、私の視界の右から左に消えていきまでに、十分以上を掛けていた、それでもあるときすっぱり諦め、右足は素足で行くことにした――という一部始終を私は盗み見るようにして見ていたのだった、涼しい店内。

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