田中替芯

彼のnoteは「チョコミント」です。子供心が溢れるチョコのフレーバーと、オトナにしか分…

田中替芯

彼のnoteは「チョコミント」です。子供心が溢れるチョコのフレーバーと、オトナにしか分からないミントの後味。好き嫌いの差がハッキリと表れるチョコミントのような構成です。残念ながら普段の彼は、どこにでもある「バニラ」です。(by編集者)

最近の記事

【え20】見た目が9割とは限らない。

地方にある小さな夕刊紙のライターであっても。 エリア内で行われる選挙に立候補する方へのインタビューは、気を遣う。 いや。そんな状況に身を置くライターだからこそ、気を遣う。 地方議員は余程のことがない限り、4年という任期が保証される。 地方議員は余程のことをしない限り、4年間はご飯に有りつけられる。 彼らに行ったインタビューを書き起こすペンの一文字一文字に、気を遣う。 下手なことを聞き、それを書いてしまえば誤解を生む。 結果として、その人を4年間「只の人」にしてしまう可能性も

    • 【こ10】「財布」について

      今日のコラムは、財布についてです。 現代社会は全ての決済が「電子マネー」で完結し、財布は無用の長物になりつつあります。 しかし、私がまだ髪をなびかせてブイブイ言わせていた頃には、そのような近未来的決済システムなぞ存在していませんでした。 金銭のやり取りは紙幣ないし貨幣であり、それを収納するアイテムこそ「財布」でした。ウォレットでした。 ケツを洗う装置ではありません。あれはウォシュレットです。 男達にとって財布という小物は、時計や香水と並んで「狙っているおネーチャンを引き

      • 【え19】大学青春物語(1)

        「新聞奨学生制度」 これを利用して、2年ほど大学に通っていた時期がある。 簡単に説明すると「新聞配達をすれば、学費から何から全部出す」という、貧乏人にとって大変ありがたい制度だ。 今も変わらないが、当時の我が家は貧しかった。格差社会のパイオニア的存在だ。 進学するにしても、浪人するにしても、一定の大金が必要だ。それも変わらない。 幸いな事に現役で大学生となったが、だからといって大金が必要でなくなる事はない。 しかも「大学に行くのなら東京の大学に行け」という父が果たせなかっ

        • 【こ9】「デジタルフォトフレーム」について

          今日のコラムは、デジタルフォトフレームについてです。 先日、あるテレビ番組が終了し、スタッフさんが永年に渡ってMCを務められたタレントさんに、これをプレゼントしたという話題をラジオで聴きました。 ここで突然ですが「国語」の問題です。 この場合における『先日』は、「あるテレビ番組が終了」「ラジオで聴きました」のどちらを指すのでしょうか。どちらも正解に見えますが、詳しい方がいらっしゃれば教えてください。 話を元に戻しますが。 長寿番組が最終回を迎える際、番組に携わったスタッ

        【え20】見た目が9割とは限らない。

          【え18】スーツとカバンとお持たせと。

          突然だが。 書くことがない。 テキスト1本でnoteを主戦場としている人間にとって、それは非常に致命的。にっちもサッチも行かない。とてもじゃないがワンダフル・ワールドとは言えない。 個人的なルールとして「エッセイとコラムを交互に書き落とす」という縛りを持っている。体験を基とした文筆の後は、流行り言葉を珍妙な文章で茶化す。それをスタイルとしているし、今後もその形は崩したくない。極力。 ただ、アレな内容なコラムが圧倒的に支持されている。リアクションも多い。それが続くと、チョ

          【え18】スーツとカバンとお持たせと。

          【こ8】「Wi-Fi」について

          今日のコラムは、Wi-Fiについてです。 皆さんは、口を揃えてWi-FiだWi-Fiだと言っていますが。 果たしてそれが、どういう経緯で付けられた名称なのかご存知でしょうか。 もし、言葉の意味も分からずに使っていたとすれば、それは別にWi-Fiという時代の先端を行き、それでいてナウでヤングでポップな言葉を用いる必要はなくてもいいわけです。別に「お[ピー]こ」でも構わないわけです。 それが無線LANであるという事さえ理解していれば、さすがに女性器名称はやり過ぎなまでも、「出前

          【こ8】「Wi-Fi」について

          【え17】逃げたかった夏

          「田中、何かアイデアはある?」 「・・・(アイデアも何もあるか)」 高校2年の夏。 期末考査が終わり、一段と強く蝉の鳴き声が耳に入る。 部活動ですら億劫で加わらず、自由の身を満喫していた私。 学校というタガが外される夏休みは天国そのものだ。 心からそれを実感していた私に、彼は不用意かつノープランな行動で私どころかクラス中を地獄に落とし込んだ。 ただ、40過ぎて思い返せば忘れられない夏だ。 夏休みが終わり2学期が始まると、各高校では「文化祭」「体育祭」というイベントが立て続

          【え17】逃げたかった夏

          【業3】帯とヘッダー

          「田中さん」 「んー?」 「『note』始めたらしいですね」 「そう。『クリエイチブ』らしい事をしてみようかなって」 「くだらないコト言わないで、見せてくださいよ」 「そんなに見たい?これなんだけどね」 「ふぅ~ん。随分と淡白ですね」 「どこがよ」 「ヘッダーも無ければ、プロフも素っ気ないし」 「ヘッダーは無くっていいじゃない」 「プロフは?」 「結構いろいろ書いたのぉ。辿り着いた結果がこれなのぉ」 「げっ!中(本文)のギャップあり過ぎ!普段と全然違うし」 「いいじゃんよ。そ

          【業3】帯とヘッダー

          【業2】わな。

          私も、この方と同じく「noteの『ステルス・トラップ』」に引っ掛かってしまいました。 まだまだだなぁ。

          【業2】わな。

          【こ7】「お金」について

          今日のコラムは、お金についてです。 こういう場所で「お金の話」をすると、 『3分間の動画を観るだけで100万円が手に入る』 だとか 『この本を読めば、あなたは生涯お金に困らない』 といった話が山のように出て来ます。 そもそも3分間の動画を観たところで、あなたに100万円は転がり込んで来ません。あれは「『あなたが』3分間の動画を観るだけで『私に』100万円が手に入る」というカラクリです。一枚上の相手が作った引っ掛け言葉です。 それに、本を読むだけで一生お金に困らないなんて

          【こ7】「お金」について

          【え16】体育教師の優しい嘘

          早咲きの桜が咲く、高校3年の3月。 3年生の教室が並ぶ階は、独特の雰囲気に包まれる。 進路が決まっていない者は、ギリギリまで勉学に勤しむ。 その一方、進路が確定した者にとっては「消化試合」そのものだ。 私は全ての受験を終えた後だったので、後者だった。 ちなみに私の席は教卓の真ん前。教師からは完全に死角に位置する。 私は授業の邪魔にならぬよう、ただただボーッと時が流れるのを待つだけだった。教師も、それを黙認していた。 そんなある日。 後ろの教室から大きな笑い声が聴こえた。

          【え16】体育教師の優しい嘘

          【こ6】「視力検査」について

          今日のコラムは、視力検査についてです。 突然ですが。 どうして「視力」と呼ぶのでしょうか。 「視る=見る」という意味だろうと思うのですが、本来見る力というのは眼球が有するものですので、「眼力」と呼ぶのがふさわしいのではないでしょうか。 しかし、そう書いてしまうと、どうしても『竹内力』や『白竜』といった関西のノンバンク且つアンダーグラウンドな雰囲気を連想してしまいますので、やはり「視力」と書くのが正解なのでしょう。 私が小学生の頃の視力検査は、黒いスプーンのような物で片方の

          【こ6】「視力検査」について

          【え15】華麗なる泥臭さ

          私は43歳。 いわゆる「キャプテン翼」世代だ。 印象に残っているシーンは、常に登場人物がシュートを撃つ時だった。 ドライブシュート。タイガーショット。 ツインシュート。スカイラブハリケーン。 そしてオーバーヘッドキック。 どれを取っても、カッコ良さを幼心に植え付けるには余りあるものだった。 1993年。 それまでは日陰の存在だった日本サッカー界が、「Jリーグ」という名で華々しくメジャーなものとして脚光を浴びた年。 それまで架空の世界でしか見ることが無かった私は、眼前に映し

          【え15】華麗なる泥臭さ

          【え14】特別な「その場所」

          2015年6月。 私は福島・いわきに来た。業務命令のためだ。 実にのどかな街。静かな街というのが第一印象だ。 すぐ傍には、小名浜という漁港がある。 そこは2011年3月に津波の被害に遭った。 私が訪れた時には、未曾有の災害に襲われた土地とは考えられなかった。 同僚に水族館に連れて行ってもらった事がある。通常営業だった。 話は変わる。 夜明け前。 ある場所に、各県から業務命令を受けた者達が集まる。 そこから車に分乗し、ひたすら国道6号を北上する。 途中でコンビニに立ち寄り、

          【え14】特別な「その場所」

          【こ5】「総合的・俯瞰的」について

          今日のコラムは、「総合的・俯瞰的」についてです。 この言葉は、昨年の新語・流行語大賞にもノミネートされたそうです。 ノミネートされるぐらいですから、様々な場面で使われたのでしょう。 確かに、ニュース番組や新聞の政治欄には 「総合的・俯瞰的に判断をする」 「総合的・俯瞰的に検討する」 「私の息子は総合的・俯瞰的に見た結果、別人格だ」 様々な方々が、多種多様におっしゃられています。 しかし、私の周りでは聞いたことがありません。 総合なんて言葉は、テレビ欄の「NHK総合」ぐらい

          【こ5】「総合的・俯瞰的」について

          【え13】私は「あの時」を偉そうに語れない

          東日本大震災から10年が経つそうだ。 月日が流れるのは、本当に早いものだ。 被災地から遠い遠い場所に住む私。 全てを飲み込まれ、焼き尽くされた街には、親類も友人も知人もいない。 私は四角い画面でしか、その様子を見ていない。 突如として襲った凄まじい揺れに、ただ座り込む事しか出来ない人々。 名取川を伝い、街へと迫りくる津波。 その様子を、ヘルメットで頭を守りながら伝えるアナウンサー。 夜になり、燃え盛る気仙沼の街。 ラジオでは、仙台荒浜地区に300人近い遺体があると伝えられ

          【え13】私は「あの時」を偉そうに語れない