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公立教員年休取得マニュアル:独身だからこそ年休を取ろう

先日、ツイッターで

「家族もいないのに年休をとっていいのか」

というつぶやきを目にしました。

それに対して、「もちろんいいですよ!」というコメントも多かったのですが、「独身だと取りにくい」とか「遊びに行くと思われ」るといったようなコメントもあってと同じ公立高校教諭として気持ちが痛いほどわかりました。

そこで、今日は年休についてのわたしの考えを少しご紹介します。
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年休をとるときのルール

🌈休む手はずを整える
授業がないか、行事がないか、掃除がないか、打合せ、部活がないかをとりあえず確認。もちろんこの忙しい教員生活において、上記の全てが「ない!」なんてことはほぼありません。ので、次に続きます。↙︎

🌈自分が休めるように予定を「積極的に」変える
予定は自分で休めるように積極的に変更しましょう。
⭐️授業は授業変更。(理由は「私事都合」で十分です)
⭐️行事ごとで当番が当たっている人は、ほかの人に休みますと伝えるか、代わってもらいましょう。あなたでなければ出来ない仕事が当たっているときはしょうがないかもしれませんが、そのような確率は少ないかと思います。特に行事などの全職員で当たるような場合は、自分でなければ回らない仕事があること自体がまず問題だということに気づきましょう。そこで、「申し訳ない」気持ちは持っていってはいけません。
当然、お礼は十分に伝える必要がありますが、変えられるものをかえることは悪いことではありません。お互いに融通を効かせながら、みんなが幸せに仕事をすることができるようにするべきだと思います。
⭐️掃除はもちろん「なし」。毎日していたら綺麗です、心配入りません
⭐️部活は休み、もしくはほかの顧問へお願いする。そして、別の顧問の先生も休めるようにしてあげましょう。

⚠️休めたら休もうではなく、この日は休む!と決めてその日に向かって仕事を調整することが大切です。

🌈周りの人へ明るく「休みます!」と告げましょう。
前向きな気持ちで休むことを伝えましょう。こちらが「申し訳ない」気持ちや態度でいると周りもいい気持ちはしません。それにそんな気持ちにつけこんで嫌味を言って来る人もいないとは限りませんので、「私は休む」ということを堂々と言いましょう。あなたは自分の年休を使うのですから、堂々としていていいのです。堂々としていることで、「あ、この人は年休をしっかりとるタイプの先生なんだな」というレッテルができます。周りに対して自分はこいう価値観や働き方を大事にしている(大事にしたい)という意思表示をすることが大事です。

年休をとる人への思いやり

🌈年休を取りますと言われたら
これまた明るく「わかりました!」「OK!」など笑顔で言ってあげましょう。年休をとる相手を気持ちよく、気楽に取らせてあげるのが同僚としてのあなたの役目です。まずは「年休を取ります」という相手の意思を尊重しましょう。

🌈なぜ休むかを詮索しない
相手が理由を言ってきた場合は構わないと思いますが、自分からプライベートなことを聞いたり、況してや「遊びに行くの?」とは絶対に言ってはいけません。「年休=遊んでいる」というのは悪しきステレオタイプです。もちろん遊んでいる場合もあるでしょう。しかし、そうでない場合もあります。「年休=遊んでいる」と取られると遊びでは年休を取ってはいけないような気持ちにさせてしまいます。これはある意味ハラスメントに当たるような権利の侵害でもありますので、気をつけましょう。

🌈業務改善のチャンス!
その人が年休をとると学年や分掌で困る業務がでて来る場合や、休む人も理解していなかったような予定がある場合があるかもしれません。そんな時は、事情をしっかり伝えて解決策を見つけましょう。そして、これから職員が休みやすい職場環境をめざす為にも、どのようなことに気をつければよかったか業務量、業務連絡方法、実施方法など様々な面から業務改善するきっかけとしましょう。仕事ありきではなく、職員が休みたいときに休めない職場作りをしない、ことが大切かと思います。

こんな人、こんな時こそ年休を取ろう

🌈独身こそ年休を取ろう
独身の方こそ自分の人生を楽しみましょう。
家族がいないと年休を取れないと思うのは、「年休=家族の用事」という別のステレオタイプが存在していることの表れです。

話は逸れますが、独身の方にばかり仕事や部活を振られるのは「独身=時間がある」という思い込みが存在しています。さらに、時間があるのだから大変な仕事をお願いしやすいだろうという思い込みも働いています。しかし、仕事はそのような思い込み前提でするものではなく、皆が平等に貢献する仕事への労力や時間によって組織されるべきものです。独身の人こそそのような「空気」に屈することなく堂々と自分の時間を優先し、そのために仕事の融通をつける練習をしましょう。自分を犠牲にして良い教育はできません。

🌈何もない時こそ年休を取ろう
予定がなくても堂々と休んでください。
自分に休みが必要だと感じる能力はメンタルヘルスを保つためにとても大切なことです。家族が病気になった時や、子どものお迎えがある時などに年休や特別休暇は使いやすいかもしれませんが、それだけでなく自分を大事にする時間がなければ特に教師は消耗してしまします。自分を大事にすることが、これから教師にはさらに重要になてってくる考えです。あなたはただ、少し時代の先を行っているだけ。みんな後からついてきますよ。

🌈疲れた時こそ年休を取ろう
疲れた時は、少し無理をしてでも、さっとやすましょう。人に気を使ったり、つい無理をしたり、申し訳ないと思うことで、そのチャンスを失わず、むしろ積極的に休むことで自分のペースをつかんだり、調整をしたりするようにしましょう。毎日、出勤することとももちろん大事ですが、疲れたときにさっと休む能力も同じぐらい大事です。

最後に

年休をとることは「悪いこと」でも「弱いこと」でも「ちゃんとしていない」ことの表れではありません。
逆に、自己管理ができていることの表れです。

年休を取ろうと思えば、業務量の多過ぎろところや、非効率だったところなど、本当は見えてくるはずで、業務改善にも繋がります。

独身でも体力的に辛い時、気晴らししたい時、自分の趣味に時間を使いたいときなど様々です。そのような波は「独身」に限らずどの職員にも起こり得ることです。自分の健康問題、結婚、子育て、家族の介護、自分の体力の衰え、などなど。人生を通じて教員を続けて行くならば、その折々に否が応でも休みが必要な場面はたくさん出てきます。

年休で休むのが申し訳ないと思うかもしれませんが、そのような必要はありません。自分が休めば次は、ほかの人が休めるように助けてあげればいいだけの話です。

ちなみに、私は毎年、年休は全て使い切っています。休むと業務が溜まってしまうという方もいらっしゃいますが、できる仕事をできるだけするという働き方を優先しています。

長くなりましたが、これがこれから教師になる人や、若い先生方、独身の先生方や年休についてとるのをためらいがちな方々へ何らかの参考になれば幸いです。


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