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切迫早産と診断されるも、結局予定日を過ぎて誘発分娩になった話

 妊娠時、8ヶ月で切迫早産と診断されるも出産予定日を12日も過ぎ、まさかの計画分娩をすることに。その時のお話は以下の記事で。

 そしてその日のうちに入院することに。
翌日から促進剤投与が始まるので、順調にいけば翌日中に生まれる。出産日がわかっていると家族への報告がスムーズで筆者自身も覚悟ができる反面、壮絶な痛みがくることもわかっているので、一気に緊張しました。

 入院したら初めからLDRに入り、子宮口を開くためバルーンを入れ、これで順調に開いていればスムーズとのこと。

 すると、夕方くらいから10分間隔の軽い痛みが始まったのです。

 でも、まだ我慢できる程度。しかし夕飯を食べたあたりから、我慢できるものの痛みは少しずつ強くなり、痛みがきている間は立つのもつらいのです。テレビを見ていれば幾分か気は紛れますが、いつ本陣痛がくるかとドキドキ。結局その痛みは10分間隔で来続け、夜は一睡もできなかったのです。

 翌朝、内診してもらうとバルーンは自然に抜けていました。子宮口が開いてきている証拠。大きさは5cm。この程度の痛みで半分まで子宮口が開いたことに安心し、もしかしてこれより少し強いくらいの痛みで乗り切れるのでは?と、根拠のない余裕が出てきました
 まあ、その程度の痛みなわけがないですよね。

 9時半、夫に付き添われながら点滴で促進剤投与開始。助産師さんに、すぐに痛くなってくると思うと言われ、その言葉通り、30分もしないうちにみるみるお腹が痛くなってきました。痛みがくる瞬間は、ウッ・・・!と軽く声が漏れてしまいます。モニターの波形も、今までの前駆陣痛とは明らかに違い、ついに陣痛が始まったのだと緊張が走りました。

 痛みはどんどん強くなり、徐々にではなく、一気に間隔が短くなりました。

 初めから1分間隔くらいだったのではないでしょうか。その瞬間、同じく筆者を促進剤投与で生んだ母が言っていた「促進剤はとにかくしんどい」という言葉が脳内でこだましました。とにかく痛くて、前駆陣痛とは比べ物にならないのです。じっとりとした汗が止まらず、痛くてめげそうになり、時計を見たら一時間しか経っていない、ということの無限ループ。

 初産は時間がかかるとはよく聞くけれど、それでも絶望。夫の手を握りつぶしそうな程、力を入れずにはいられなくて、お腹というより、腰とお尻が壊れそうな程痛いのです。

 夫がテニスボールでお尻を押してくれたり、腰をさすってくれたり、飲み物を飲ませてくれたり、一生懸命サポートしてくれて神様に思えましたし、その日のお産が私だけだったこともあり、助産師さんもずっと付いて腰をさすってくれたのが救いでした。

 そのうち、さすがに耐えられないと思い、
「あとどれくらいで生まれますか」とかすれる声で聞くと、
「順調に進んでいるけれどまだまだ」と言われ、また絶望。
この時点で、本陣痛が始まってからまだ2時間程しか経過していません。

 早くて夕方と言われていたので、まだということは10も承知。それでも聞かずにはいられなかったのです。

 それほど痛い。

 言ってもしょうがないとわかっていても、「もう無理・・・」と言ってしまいました。

 周りから聞いて、なんとなく陣痛の痛みを想像していたけれど、想像をはるかに超えるこの世のものとは思えない痛み。骨盤を内側から粉々に砕かれる様な、とにかく下半身を破壊される様な痛み。痛すぎて、泣くのを通り越して気絶しそうで・・・

 時間が経つのがとにかく遅くて、果たして無事に生めるのだろうかと疑問に思ってしまう程。
 
 でも、筆者のおばあちゃんも、お母さんも、友達も、世の中の全てのお母さん達が、平等にこの痛みを乗り越えて出産している。この痛みは地獄の様だけど、いつか必ず終わるし、その後はようやく我が子に会えるのです。10ヶ月間お腹にいるのが当たり前で、本当に自分の体から生まれるのかな?と不思議に思っていたのに、ついに我が子が目の前に登場して触ることができるという、夢の様な感動的な瞬間が待っているのです。

 耐えて耐えて耐え抜きました。
 そしてその瞬間はちゃんと訪れたのです。

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