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『ゴジラ−1.0』を観る

見逃した、と思ってたんです。公開日が11月3日だったし。もうやってないだろうと諦めてたんですが、やってました。

普段ガラガラに空いている館内に老若男女の別なく相当数入っていて驚いた。ロングラン上映にも驚いたけれど。1月12日からのカラー無し上映まで続くようで。

ただの怪獣映画じゃなかった。感想メインに綴るつもりですが、ネタバレになるかもしれません。まだ観てない方はご注意を。

終戦後の設定。それが何とも今とピタリとくるものがある。何もかも壊されて国すら方向性が定かではなくて。時々、祖父母たちはあの何もなく全て壊れた時代をどうやって生き延びてきたのだろうと思うことがある。物質的な面も心も潰され国の助けすらろくになく自助努力するしかなかった時代を。

やっと建て直しつつあった世界を、またゴジラが壊していく。理不尽に。このゴジラは何の象徴なのだろうと思う。頭をよぎるのは東日本大震災のこと、コロナのこと、元旦早々に起こった地震のこと、様々な災害や事件のこと。

災厄。ゴジラは理不尽な災厄。それは神に等しいほどに。

多分これからも何度となく繰り返し災厄は訪れるだろう。それは決してなくならない。ただ、それに対してできることをするしかない、手立てを尽くすしかない。誰かがしてくれるのを待つのではなくて各自が自分のできることをしていくしかない。それが生きることなんだろうと思わせてくれる。

ゴジラが攻撃を吸収する度に、ゴジラは人が作り出した災厄なのではないかという思いが強まる。初回のゴジラは確か原爆実験から生まれたように思う。破壊兵器がさらなる破壊を生み出す恐ろしさ。

細かいところに色々言いたいことはあるけれど、総じて良かった。歴代ゴジラの顔を並べた画像を見たことがありますが、初代並みに顔が怖い。これがモノクロになると第一作のような怖さがあるのではないでしょうか。

臨場感が半端なくてシン・ゴジラよりも手に汗握る感じがしました。シンプルにゴジラ対人に的を絞って描いたところが良かったのかも。映像が凄まじく内容も共感できた。名言と言えるセリフもいくつかあった。

大戦後という設定がなんとも現実味があって、戦争に駆り出された人々のその後にも思いを馳せてしまう。特攻や人間魚雷を発案し決定した人々のこと、その後のこと、終戦後もなおその記憶に苦しむ人々のこと、戦争を生き延びた祖父母のこと…。

他にもいろいろ考えることはあるけれど割愛。

元旦早々大地震に見舞われた地方のニュースを目にする度に心が痛い。安全な立場にいる自分は何もいう権利がないけれど、これからを共に生きることはできる。

個々別々に生きて何の縁もゆかりも無いけれど、共に生きてる。綺麗事かも知れないけれどそう思う。

生きてるだけで頑張ってんだよ。誰も彼もが。ゴジラのように何度でも襲いくる「何か」に立ち向かいながら共に何度でも。

(訂正)
1月12日過ぎは、カラー版とモノクロ版の両方上映していました。どれだけ人気があるのでしょう、ゴジラ…。
















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