ヤニカフ

クソ大学生

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賛歌

 建物の間を縫う、長い長い坂道。中身の無い卵が登って行く。顔の無い石たちの笑い声。日の光が電柱を、アスファルトを、人を暴き出して行く。急激な速度低下と情報過多で、形は薄れてしまった。  辿っても、どうしても遠のいてしまう。何もかもを同じ場所に置いて、いつでも帰って来れれば良いのに。あの景色は果たして本当に僕のものだったのか。映画の中の事だったのかもしれない。 ずっと綺麗なままで居て。 脇道の無い大きな道路。落ちる河川  

      • 街の病状

        電柱と電線に描かれる街                連なった壁のあの一つを超えれば          微熱の中で濁る上下 そして無くした泡とヒビと星            見えなくなった               混ざる光彩の中で 線の上をつたう人 昼間の火傷の軌跡         あのトンネルの先の階段を超えても           呼吸に回憶を覚えないフロアは広がる       また逃げ出した子供と熱       

        • 4 養鶏場紛いの駅ビルにて、蝉とタップダンスを踊って言う。「俺は! お前が! 嫌いだ!」 6 抜け道を探す。例外的に16から引き算をする。油を流して腐った匂いに顔を背ける。アスファルトの勤労を祝って何処にも居ない女の救いを想う。アース。その緻密にも普遍的かつ壮大な感触を数えて眠る。泥水の垂れた跡があるガラスを通してランバージャックを探す。誰も居ないように見える公園で、回り続ける風車と、膝に痣を刻む女。水底に見た。 2 予算を憂鬱に思う。僕は声が聞きたい。誰でもいい訳じゃな

          夏休みに

          観客の居ない螺旋劇場で男と女は演じる。 男はボロを纏い、女は大げさな程の白装束。 巨大な胃の底に沈殿して停滞する泥。 空は見えない。 まだ見つからない。何が? 海と溶けて消える空の縁。 最近はアルコールの匂いが蔓延している。 舞台は終わらない。居ない観客のために。いつまでも。 培った夢は、夏の倦怠の肥やしになる。  コンビニの前でシケモクからこぼれた葉っぱを運んでる蟻を眺めてたらね、空がビカビカ光やがるんだな。そういえば昨夜は雨だったし、道路も空気も湿っぽくて

          夏休みに