[前世紀の残務整理] 粒子はどこかに居るとは言えない

波動関数ψ(x) の2乗:ψ*(x)ψ(x) は、確率分布を表し、
その全空間積分は1、つまり、必ず存在します。
しかし、この状況を
「粒子は、わからないだけで どこかの位置に居る」
と言うのは、間違いです。
まず、「粒子の運動量は、わからないだけで どれかの値をとる」
は、運動量についての混合状態の場合であり、
純粋状態の重ね合わせでは、これは言えません。
同様に、「粒子の位置は、わからないだけで どこかの値をとる」
と言うのは、混合状態の場合であり、
純粋状態の重ね合わせでは、これは言えません。
シュレーディンガ方程式は、純粋状態に対する方程式であり
そのψ(x) の時間発展はユニタリで、混合状態になり得ませんから
「粒子は、わからないだけで どこかの位置に居る」
とは言えません。
//

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?