[堀田量子] 隠れた変数理論では、もつれ対での確率分布を説明できない

堀田先生への質問:
https://mond.how/ja/topics/aep4wm8wrq2dm0k 
で、隠れた変数理論は、
「相反する状態が 瞬間瞬間には確定しているが、
「あるランダムな作用」により猛烈な速さで入れ替わっている
(例えばプランク時間程度の時間で入れ替わり)
とすれば、測定での時間解像度では、区別できず
事実上『重ね合わせ』となる」
したがって、密度行列で考えると、
「確率分布を表す対角項」だけでなく
「干渉成分を表す非対角項」も存在することになる。
ちょっと考えると「ベルの不等式を破る」のは干渉効果のせい
なので(清水本p229)
隠れた変数理論でも「ベルの不等式を破る」ように思われます。
しかし、ベルの不等式は、2粒子の関係であり、
その合成系|ψ> は、|↑_a>|↓_b> + |↓_a>|↑_b> というもつれ状態で、
これは、|↑_a, ↓_b> + |↓_a, ↑_b> という重ね合わせを意味します。
「ベルの不等式を破る」には、この重ね合わせ状態の干渉項:
|↑_a, ↓_b><↓_a, ↑_b|+|↓_a, ↑_b><↑_a, ↓_b| が存在する必要が
あり、粒子a,b の状態を「同時に反転する作用」がないといけないです。
粒子a,bは、一般に、空間的に離れいる(光円錐の外に)ため、
この作用は、相対論を破ります。
つまり、「自分の測定機の指示値が、光円錐の外の遠く離れた
何らかの操作によって突如変化する」
という奇妙なものですが、
非局所的作用(例えば、ボーム理論の量子ポテンシャル)
を仮定する研究者もいます。
しかし、もつれ対での
「相反する状態を入れ替え続けるランダムな作用」
を、以下のA作用とB作用に分けると、
複製禁止定理により、
2粒子のもつれ対での隠れた変数理論は存在しない
と言えます。どうでしょうか?

証明
全空間積分で、ある物理量が保存する場合、
A作用:一方の粒子aのその物理量に対する状態を反転させ続ける作用
B作用:もう一方の粒子bの状態を瞬時に「aの逆に」する作用
と分けて、
粒子bに対し、B作用が行われると、
bの状態は、粒子aの状態の「逆の状態」になります。
したがって、B作用2回で、
もとになる状態と同じ状態の複製ができることになります。
そこで、「2つの物理量が保存する場合」において考えると、
堀田先生の「量子情報と時空の物理」p10の証明により、
「B作用2回」は複製禁止定理を破ります。
ということは、B作用自体も禁止されるので、
もつれ対での隠れた変数理論が成り立つのに必須な作用:
「相反する状態を入れ替え続けるランダムな作用」
は存在しません。
//
この記事につての堀田先生への質問と回答
https://mond.how/ja/topics/8modf0y126b7t7b 

再検討
「隠れた変数理論では複製は禁止される必要はない」
という回答ですが、私の仮説での前提:
「相反する状態が 瞬間瞬間には確定しているが、
「あるランダムな作用」により猛烈な速さで入れ替わっている
(例えばプランク時間程度の時間で入れ替わり)
とすれば、測定での時間解像度では、区別できず
事実上『重ね合わせ』となる」
は正しいとすると
量子力学では「複製はできない」ので隠れた変数理論と
食い違うことにになります。
「量子力学が正、古典論は近似」であるなら、
食い違えば、隠れた変数理論の方が「近似」ですから
隠れた変数理論では「完全な複製はできない」です。
ということは、「B作用2回」は「完全な複製にならない」し、
B作用自体も「完全には相反する状態にならない」
もつれ対での隠れた変数理論が成り立つのに必須な作用:
「相反する状態を入れ替え続けるランダムな作用」
が、どんどん「どちらか一方の状態」になっていく。
したがって、「もつれ対での隠れた変数理論」では
量子力学での「重ね合わせでの確率分布」
とは一致しなくなる。
∴ 量子力学の帰結を説明できない!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?