[清水量子 放送大学編] はじめに

「新版 量子論の基礎」の著者である清水明先生が、
放送大学で、今年4月から開講される「物理の世界」の
後半の「熱力学」3回と「量子力学」4回 を担当されます。
ここでは、この「量子力学」について解説します。
テキストは、放送大学教材「物理の世界」で、
たぶん、アマゾンで入手可能と思います。
内容は、
第11章 古典論から量子論へ
第12章 量子論を記述するための数学
第13章 量子論の定式化
第14章 ベルの不等式
であり、ほぼ「新版 量子論の基礎」のサブセットです。
「新版 量子論の基礎」の第5刷は、2006年なので
現在までの大きな出来事は、
① NTTの実験で、ミクロとマクロの中間的領域で
「状態の重ね合わせ」が実現された。
もう、「量子論こそ正、古典論はその近似」と言ってよい
と思います。
② 小澤正直先生によって「射影仮説」が「ボルン則」より導出
されて仮説でなくなり、独立した量子論の公理ではなくなった。
ただし、このテキストでの「射影仮説」の扱いは、
「新版 量子論の基礎」と同じ(量子論の公理)のようです。
(残念ながら詳しい説明は、されていません)
さらに、TSMCの熊本工場では、線幅7nm のLSIを製造する
計画とのことです。
この幅は、Si原子100個くらいなので、量子力学が
もろに効いてきます。もはや、射影仮説を含む量子力学を
実学と言ってよい時代が来ています。

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