第四回 日経積立投資やってみた(1)

バブルのスッ天井から積立投資やってたら?

あの平成バブルのスッ天井からコトもあろうか積立投資をやってたらどうなってるか、知りたくありませんかね?上は40,000円近く、下は7,000円と来世紀の経済学の教科書に絶対載るであろう歴史に残る30年間、毎月毎月定額を積立してたら?・・・というワケで調べて見ました。

平成元年とはどんな年だったか?

若い人でもこの年から消費税が導入されたことくらいは御存知でしょうが、手元にある資料の中からざっと拾って見ると...。
・7-9月期GNP年率+12.2%
・11月のマンション平均価格6000万円(前年比+27.6%)
・11月東京都CPI前年比2.5%
・11月百貨店売上+12.6%
・11月新車登録台数+24.1%
・公定歩合4.25%(12/25+0.5%利上げ)
しかし、スゴイ世界です。こんな絶好調な経済環境の中で12/29に38,957.44円を付けます。因みにこの頃はGDPはGNPと称してました。日産自動車の就職試験で「GNPとは何ぞや?」と聞かれた学生が「ハイ!ガンバレ、日産、パルサーです」って答えて受かったという都市伝説は私の若い頃は誰でも知ってる鉄板ネタでした。では、12月末から毎月月末に1万円づつ日経平均に投資したとします。この令和4年6月末まで391か月、つまり391万円をつぎ込んだことになります。果たして...。
※配当再投資は無視してます

谷あり谷あり山なしの280か月

時価総額と含み益の推移

令和4年6月末現在、投資成果は以下のようになります。
総拠出額:391万円
時価総額:686万円
含み益 :295万円
りそなBKが公的資金を注入しソニーショックがあった2003年4月には最大で▲52.7%と半値になり、リーマンショックの2009年2月には▲115万円(▲49.9%)と最大含み損を抱え、ただでさえ稼ぎの悪い亭主が何してくれてますかと夫婦仲を保てという方が無理です。ここまで231か月ですので途中で退職を迎えて入金力が尽きる人も出て来る長さです。ようやく含み益が定着したのは2013/09ですから自民党政権が返り咲いて9カ月も後のことです(安倍さんいなけりゃどうなってたか...。)。

日経平均と平均簿価の推移

平均簿価は15,044円で+75.4%の含み率となってます。30年以上も投資してその成果としては満足のいくものではないでしょう。因みにS&500に円ベースで投資した場合、平成元年12月の元手は現在10倍を超えてます(実は為替で負けてるけど)。

2000年の日経平均大規模入替

日経新聞社はテックバブルが天井を打った2000年3月の翌4月に日経平均の大規模入れ替えを発表します(30銘柄!)。4/15の”土曜日”です。4/17の月曜は大騒ぎもエエとこでした。その発表文がコチラです。
20000415J_1.pdf (nikkei.co.jp)

採用銘柄
除外銘柄

今の日経の中心銘柄はこの時に採用された銘柄が多いです。一目見て分かると思いますが、除外は100円200円のオールドエコノミーのボロ株です。このメンツで再び4万円を目指すなんて無理です。しかし除外銘柄を売って採用銘柄を買うにも余りにも単価が高すぎて買えません(しかも何でみなし額面が50円じゃぁ!)。だから他の195銘柄も売ってリバランスし直せねばなりません。大暴落です。その後、日経新聞社にはかなりの苦情が舞い込んだらしいです。発表文に即した苦しい言い訳をしてましたが、これ以降一度に数十銘柄も入れ替えることはなくなりましたので日経新聞もマーケットインパクト考えておらずやっぱマズかったかなぁとホントは思っていたことでしょう。さて、テックバブルが弾けたスタート地点ですので、電機セクターのニュー・エコノミーがウンチャラの入替は見事に裏目に出ます。更に金融機関が7銘柄も入りますが、今や名前が残ってる銘柄は静岡銀行だけです。こうして長い含み損の世界が続きます。アベノミクスで盛り上がるまであと13年、耐えられますか?
一回切ります。その(2)へ続きます。







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