テポチニブ、カプマチニブ
METは浸潤性増殖(invasive growth)として知られる複雑な過程を媒介する。
MET 遺伝子エクソン 14 スキッピング変異とは
MET遺伝子エクソン14領域にはCBLを介したユビキチン化とMETタンパクの分解に重要な部分を含んでいる。(チロシン1003)
肺腺がんの3%に認められるそう。また他のドライバー変異とは相互排他的な関係にあるが、MET 遺伝子増幅は高頻度に伴う。
遺伝子増幅とはどのような状態なのか
通常、ヒトなどの高等生物では、全ての遺伝子数を一定に保ように仕組まれているが、何らかの原因で遺伝子のコピー数が増加することがある。MET遺伝子は7番染色体長腕の7q21-q31に位置し、受容体型チロシンキナーゼをコードする。
METタンパク過剰発現については、エクソン14スキッピング変異や遺伝子増幅を伴わずに生じ、非小細胞肺がんの5-75%で認められるという報告があり、予後不良因子とも考えられている。
テポチニブ(商品名:テプミトコ錠)
2020年6月に発売され、進行再発の非小細胞肺癌に使用される。
1日1回食後に服用する。空腹時服用ではAUCの低下が見られるためである。
また副作用として、間質性肺炎の頻度も高いため注意が必要である。
カプマチニブ(商品名:タブレクタ錠)
2020年8月に発売され、進行再発の非小細胞肺癌に使用される。
1日2回経口投与される。食事による影響はテポチニブと似た傾向があるが小さい。
間質性肺炎、肺臓炎の頻度も高いため注意が必要である。
参考文献(MET を標的とした肺がん治療の展望 内藤智之・白石英晶・藤原 豊)
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