世にも切ない実話怪談「石油工場の足音」
昔は炭鉱として栄えた町の郊外にある元は石油工場だった。
廃墟にある階段を上る足が今日も作業靴を踏み鳴らしながら一歩一歩と階段を駆け上がる。
遺族が花束を持ってくるたびにな、泣きながらまだ成仏していないことをその光景を見て確認するんだよ」
工場長の孫娘がもう仕事しなくていいんだよ…と
言っても聞こえないんだ。
でもその作業靴を履いた太い足は忙しそうに今でも階段を駆け上がったり駆け下りたりしている。
働き者のじいちゃんだったからねと隣で同じように泣いている工場長の娘がハンカチで