マガジンのカバー画像

鍵盤楽器音楽の歴史

189
運営しているクリエイター

記事一覧

パンタレオンというドイツの鍵盤楽器について(185)

クリストフ・ゴットリープ・シュレーターがピアノを「発明」するきっかけとなったのは、本人の…

影踏丸
3日前
13

自称ピアノの発明者、クリストフ・ゴットリープ・シュレーター(184)

J.S.バッハは1747年にローレンツ・クリストフ・ミツラーの「音楽学術協会」の会員になり(会員…

影踏丸
7日前
10

録音で聴くチェンバロの音の違い

チェンバロはタッチで音に強弱をつけることは殆どできません。そのため乱暴に言えば誰が弾いて…

影踏丸
11日前
20

「ヴァイオリン伴奏付き」鍵盤ソナタについて(183)

これら K. 6 - 9 の4つのソナタは2冊に分けてパリで出版され、ヴォルフガング・アマデウス・モ…

影踏丸
2週間前
26

英国スクエア・ピアノ事始(182)

さらに「ジルバーマンの弟子」というのも加えられて、ピアノの歴史でよく紹介されているこの「…

影踏丸
3週間前
17

J.C.バッハとモーツァルト(181)

1725年に書き始められた2冊目の『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』の中でも、一際稚拙…

影踏丸
3週間前
15

ソレールのファンダンゴ(180)

「ファンダンゴ Fandango」はイベリア半島伝統のペアで踊られる三拍子の舞曲で、現在の民族舞踊としてのスタイルは地方により様々ですが、一般に八音節詩の歌を伴い、ギターとカスタネットで奏されます。 もっぱらこちらのほうが有名であるフラメンコのファンダンゴは、古典的なファンダンゴとは殆ど別物です。 ファンダンゴの起源は語源も含めて明らかでありません。北アフリカやアラブ圏由来とする説もありますが、現存最古のファンダンゴの楽譜は『Libro de diferentes cif

スカルラッティとソレール神父(179)

スペイン王家は毎年秋にはマドリードの北西50kmほどに位置するエル・エスコリアル修道院に滞在…

影踏丸
1か月前
10

スカルラッティとセイシャス(178)

ドメニコ・スカルラッティが1719年8月にヴァチカンの職を辞した後、いつどうしてポルトガルに…

影踏丸
1か月前
16

18世紀イギリスのチェンバロ:シュディとカークマン(177)

17世紀の終わり頃からイギリスでは家庭用の鍵盤楽器としてベントサイド・スピネットの製造が盛…

影踏丸
3か月前
15

J.S.バッハの最後の弟子、ヨハン・ゴットフリート・ミューテル(176)

これはJ.S.バッハの《ミサ曲 ロ短調》BWV 232 の最後の "Dona nobis pacem" の箇所の自筆譜で…

影踏丸
4か月前
20

C.P.E.バッハとジルバーマンのクラヴィコード(175)

スペインからロシアに至るまで、ヨーロッパ中を軽薄極まりないギャラント音楽が席巻していた18…

影踏丸
4か月前
18

ギャラント音楽とアルベルティ・バス(174)

18世紀半ばのバロックと古典派の間、ヴィヴァルディやバッハと、ハイドンやモーツァルトの間の…

影踏丸
5か月前
27

折りたたみチェンバロ:イタリアのチェンバロについて8(173)

現存するカルロ・グリマルディのチェンバロは、ニュルンベルクとパリの他にもう一つあって、ローマ国立楽器博物館所蔵の "Cembalo Piegatorio"(折りたたみチェンバロ) がそれです(さらに2009年には「第4のグリマルディ」発見の報がありましたが、不詳)。 これは弦を張ったまま比較的コンパクトな箱型に折りたたむことが可能な携行用のチェンバロです。2x8'、C/E-c3 という仕様で、通奏低音には十分。もっとも音量と音質はかなり犠牲になっているようですが。なお、この