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MVイラストの制作に迷ったらとりあえずこの構図がいいかも全3選[ボカロ・歌みた系MV]

こんにちは!MVを作っている動画クリエイター兼イラストレーターの
無印かげひと(@kage86kagen)です。

今回は、「MVイラスト制作に迷ったらとりあえずこの構図がいいかも全3選[ボカロ・歌みた系MV]」についてざっくりと紹介します。

MVイラストを制作するイラストレーターや絵師向けの記事となりますが、その他別媒体用のイラストを制作する時にも役に立つかもしれません。


MVを意識したイラスト

魅力的なイラストを描くためには、様々な点について考えながら制作する必要があります。
例えば、綺麗な主線を描く、配色に気を付ける、キャラクターデザインを細かく考える、ほどよいエフェクト加工を付与するなどなど...。

その一つとして「構図」もあるのですが、これはMVイラストを制作する際には特に意識していきたい項目になってきます

「え、構図?これを意識する必要ある?」、「構図一つでイラストの魅力度って変わるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、
YouTubeなどで再生数が多いMV、有名なアーティストやVtuberなどが投稿されるMV(イラストが使用されている場合のMV)を観察してみると、「かっこいい」、「オシャレ」、「可愛い」と思えるような「構図」で形成されたイラストが多くみられます。

今の時代は「ジャケット(サムネイル画像)」でその楽曲を拝聴するかどうかの判断をする方も多いと思われますので、”集客”を優先して制作するのであれば、目を引くようなイラストを描いていきたいところですよね。
(その方が依頼者も喜ぶと思われます)


迷ったらとりあえずこの構図がいいかも全3選

というわけで、イラスト初心者の方でも使えるような、「迷ったらコレ!」といったような構図について3つほど紹介したいと思います。
各項目についてより詳しく知りたい方は、それぞれ検索をしてみてください。

中央配置(画面の中央、真ん中付近)

MV動画を初投稿されるボカロPやVtuberから、1億回再生された動画MVまで幅広く使用されている構図の一つが、「中央配置(画面の中央、真ん中付近)」を意識したイラストになります。

これは名前の通り「画面中央に視線を誘導させる構図」で、MVイラストに限らず例えば雑誌の表紙、ポスター、漫画の単行本などなど、ありとあらゆる媒体において採用されています。
イラストを描く際、または出来上がったイラストを配置する際に使用されている構図の一つです。イラスト初心者でも数十年イラストレーターをやっている方でも、誰でも使いやすい配置ですよね。

MVの世界においてもかなり見栄えする構図であり、動画編集で動かす時にも、サムネイル画像としてそのまま使用するにしても、汎用性があります。

使用例。上記はバストアップの人物イラストを描いているが、これを画面の中央に配置することで目線が中央に集中しやすくなり、より印象的な、視聴者に何かを伝える力が強くなるMVになりやすくなる。

MV制作をする際には、全編渡って真ん中表示のまま編集するのもいいですし、拡大縮小や移動、トリミング加工もしやすい構図なので、MV制作の幅が広がります。

●参考動画

(グッバイ宣言' feat.FloweR  Chinozo)
画面中央に人物イラスト、MV全編に渡って背景はほとんど一色といった、極力シンプルでありつつスタイリッシュなMVとなっている。
ちなみにこちらのMVの再生回数はなんと1億回超え。すごい…。

(ド屑 / 歌愛ユキ なきそ)
人物イラストや背景の主要な要素を真ん中に集中させた構図。
背景として描かれている「赤いザクロ」が色合い的にも形的にもかなりいい味を出しており、画面全体の構図や配色が綺麗なイラストとなっている。

↓制作者による解説イラストはこちら



三分割法

一見すると、先ほどの「中央配置」よりもと少々小難しい構図に見えますが、この構図も同じぐらい汎用性が高いかつオシャレにイラストを見せる事ができる構図です。これを知っているかどうかで、イラストの「見せ方」も大きく変わります。

「三分割法」というのは、上記の画像の通り画面を縦横三分割に分けて、その交わる部分に「一番見せたい部分(被写体)」を持って来る構図です。

上記画像の「赤丸」部分に見せたい部分を配置する事で、視聴者的にしっくりくる画面構成になるんだそうです。

この法則は、等間隔に引いた水平線と垂直線2本ずつにより画面を9等分(上下・左右方向にそれぞれ3等分)すると仮定し、それらの線上、もしくは線同士の交点上に構図上の重要な要素を配置すると、バランスが取れて安定した構図が得られるというものである

引用元:三分割法(Wikipedia)
使用例。上記画像は「左上の黒点」部分にイラストの要素の大部分を持ってくるよう制作したイラスト。人物イラストに加え、葉っぱの「緑」、ソファの「ビビッドなピンク」を配置した事により、若干「補色」な色合いが生み出され、色合い的にもよりインパクトのあるイラストとなった。

●参考動画

(隣人さん  和ぬか)
こちらのサムネイル画像に「三分割法」を当ててみてみると、三分割法の右側部分2箇所(本項目一番最初の画像の「赤点」)にイラストが来るように配置されている。
恐らく、上記の画面は本動画のサムネイル用としてイラストやタイトルロゴを配置し直した画像と思われるが、デザイン的に見ていてしっくりくる、安心できる構図となっている。
(MV自体はアニメーションがメインとなっているが、こちらもすごいので見て欲しい)

(浴槽とネオンテトラ/ 常闇トワ × 猫又おかゆ)
こちらは人物2人を被写体とし、三分割法の右上と左上あたりに顔、右下と左下に体がくるように制作されているイラスト。つまり4点全ての箇所に被写体が映されている素敵な構図。
構図もそうだが、画面全体の色合いがとてもエモくて美しく、何かを想起させられるようなストーリー性あるイラストに引き込まれる。


シンメトリー

最後に「シンメトリー」について紹介します。
先ほどの2つと比べると見かける頻度が少なめな構図です、シンメトリー(左右対称)な構図もMVイラストとして採用されている率が高い構図です。

同じポーズをさせた人物や背景イラストをシンメトリーにして両脇に配置させたりする使用方法が定石ですが、MVによってはイラストの「上下」をシンメトリーにさせたり、「左上、右上」といったように斜めに対になるような構成にしているイラストもあります。

使用例。こちらはほぼシンメトリーを意識してイラストを制作。初見で見ると背景のシンメトリーのみに目がいきがちだが、体格は違えど人物の配置もシンメトリーにしているので、結果的にまとまりのある構図になっている。

●参考動画

(フォニイ / 25時、ナイトコードで。 × MEIKO)
人物や背景をシンメトリーで構成したイラスト。人物の表情は変えている。
ちなみに、こちらのMVは構成や演出自体も全体的にシンメトリーになっていて、本当に大変すごく素晴らしい映像になっているので、ぜひご覧頂きたい...!

(アイデンティティ  Kanaria)
こちらも人物や背景をシンメトリーで構成されているイラスト。
人物イラストの線画はシンメトリーだが、配色についてはアシンメトリーになっているため、ただのシンメトリーには収まっていないという面白い構成になっている。


その他構図

いかがでしたでしょうか?
先ほど紹介した3つの構図を取り入れる事で、イラスト初心者でも手軽に「魅力的なイラスト」を表現する事が可能です。

最後に、名称だけにはなりますが他の構図についても紹介したいと思います。

黄金比(フィボナッチ螺旋構図)
古代ギリシアの数学者が発案した「美しい」と感じるデザイン比率の事。
画像を見れば「ああこれね!」となるかもしれない。
画面上に「渦状」にガイド線を引き、それにそってデザインや人物イラストなどを描く構図を指す。

・白銀比
黄金比と似ているが、少し比率が異なる。
主に日本国内で昔からの建築物や美術品などで使用されている比率。
ちなみに「ドラえもん」や「ハローキティ」の体型も白銀比に収まっているらしい。
(だから日本人にとって親しみやすさを感じるフォルムなんだね)

八分割法
三分割法の進化バージョン。画面を縦横8つに分割し、線が交わる部分に被写体を置く構図。
たくさんのモチーフをイラストに描写したい時などに使えそう。

・三角構形
三角形に収める、または沿うようにイラストを描いた構図。見せたい部分を頂点に置くのが定番。
まとまりのある、見やすいイラストに仕上がる傾向がある。


まとめ

  • イラストの大事な要素の一つとして「構図」があるが、MVイラストを制作する際には特に意識していきたい項目

  • イラスト初心者でもすぐに取りれやすい構図は、「イラストを中央配置にする」、「三分割法」、「シンメトリー」がある

最後までご覧頂きありがとうございました!

それでは!



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