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「セカンド・ライン」照明解説やってみます!!

おはようございます。
おかること、景井由佳子です。

2021年12月4~5日で、
演劇企画テルミナ 第1回公演
「セカンド・ライン」の
照明を担当させていただきました。

作・演出 湊游「セカンド・ライン」の脚本は、こちらで公開されています。
台本を公開しながら更新して完成させてみる~『セカンド・ライン』という台本~

そして、ここでは私の書いた照明プランの解説をしてみたいと思います。
(こんなの初めてだぞー 笑)

演出家 湊さんとの出会いから

演出家 湊さんとは、7月末にあった照明のプランニングに特化したワークショップで出会いました。その時、今度、このような企画を考えているので、是非、照明でご協力いただけませんかと、ご依頼くださいました。
コロナ禍で、演劇など舞台での活動ができなくなり、なかなか歩み出せないので、その中でも可能な形での演劇公演を行いたい。その公演に向け、オーディションやワークショップを行い演劇活動の促進につなげたいという趣旨だったと記憶しています。
そして、私は、その企画自体がとても面白そうだと感じたことと、仕事でなかなか演劇の照明プランから携わる機会も少なく、貴重な機会だったのでOKしました。

まずは、プロットと、途中まで書かれている台本をいただきました。
お話は、"じい"が亡くなり、残された孫三人が相続や遺品整理をしているうちに、じいの愛人の存在を知ります。そして、その愛人とやり取りをしていくことになります。そのやり取りの会話劇です。
そのプロットに書かれていた結末に「おぉ!」ってなりました(笑)

とにかく、これからが楽しみだなと感じたのを覚えています。

そして、しばらくたった10月末に、荒通しの稽古と会場の下見に行きました。


このプランで大事にしたこと

今回の会場は、十三にあるspacekorallionというレンタルスペースでした。

この会場は、いわゆる劇場ではありません。ですが、元々、イベントができるようにステージが一段高くなっており、ステージ用に調光ができるレールライトと円形の天井灯がありました。

今回、湊さんの指定で、アクティングエリアを客席部分まで広く取り、会場のもつ雰囲気やあり物全てで、”じいの家”をつくることになっていました。それと、客席側にある窓もセットの一つとして、役者がその窓を開けセリフを言うシーンがありました。なので、自然光も取り入れたいとのことでした。
これが、なかなか面白かったです。

全体的に、場面転換は多くはなく、しかも、ありのままの会場の姿を活かし、「じいの家」と「カフェ」の風景を作りました。現実離れしていない自然な明りをイメージしました。
自然光を取り入れるということだったので、開演時間が13時、15時、17時、19時と4パターンあり、それぞれの時間での外光が入るため、会場の雰囲気もがらりと変わりました。
あえてそれをそのまま、その時間に来て下さったお客さんと楽しめるよう、開場からの明り作りから考えました。
会場の外の通りを通る人の声すら、風景の一部になっていたことも面白かったです。
あまり凝った派手な演出も無しでということだったので、シンプルな照明を基本にして、その代わり、お芝居の世界をしっかり感じ取り、役者さんの間合いやその時に起こる感情の動きに委ねながら、微妙なタイミングや明るさを刻んでオペレートしました。←アナログだからこそ、できること!!


本番を終えて

何より、無事にすべてのステージを終えられたこと、沢山の方が会場に足を運んでくださったことに感謝しています。

頭での思考を優先して狙ったオペは裏目に出ることが多かったなと、反省し今後に活かしたいと思います。
4ステージあれば、4ステージとも違って見えます。
しっくりいかないこともあれば、しっくりいった時の感動もひとしおです。
演劇という生ものだからこそ、その場その時を直接肌で感じることが多いなと改めて思いました。
照明さんであっても、すごいエネルギー使いました。
ひそかに自分の内面と向き合う機会にもなりました。
苦しいけど、それが、心地いい。
そうやって、一つ一つ、必要なくなったものは手放していくのだろうなと思います。

そして、この公演を通して、沢山の方々に出会い、稽古や公演を重ねていくうちに、チームとなっていく一体感は、演劇ならではです。
演出家さんのこの作品にかける思いを聴かせていただいて、沢山共感でき、アイデアを出し合えたこと。
稽古の帰り道、台本の解釈を自然と役者さんと話し出したら止まらなくなったこと。
会場入りしてから、各セクションのこだわっていることを見せていただいて、おぉー!と感心したこと。
みんなそれぞれに歩んでいる人生や思いを聴かせていただいて、ただただすごいなと尊敬したり刺激を受けたこと。
どれも本当に濃い時間を過ごさせていただきました。
忘れられない時間になりました。
ありがとうございました。
みんな熱いね~!
最高に、楽しかったね~!

みんないい顔してますねー(*^▽^*)

また、どこかでお会いしたいですね。
そして、お芝居やりたいですね!!

第1回目のこの企画に携われたこと、とても光栄です。
そして、これからの活動も楽しみにしています。
テルミナさんの次回公演も決定していますので、是非、足を運んでみてくださいね。
演劇企画テルミナ 第2回公演「ランドセル」


仕込み図&Qシート

という訳で、今回のお芝居を照明さんの視点から、記事に書いてみました。
いかがでしたか?
(照明の解説になっていない気がする…笑)
段々と、時代が大きく変わりだしていて、自分のやりたいこと、自分の得意なことって何だろう?と問いかける日々です。
これまでの概念に縛られず、好きなことやワクワクできることをそのまま書いてみたら、こんな感じになりました。
これはこれで、私でしかない(笑)

最後に、この下に、今回のプランとQシートを載せておきます。
ご参考までに、どうぞ。



ありのままの自分?自分の中の輝き? 時々、見失いそうになりながらも、自分らしい光を信じて、 ともに生きる人たちと、その場その時を味わいながら。 それぞれの希望が、大きな輪の中で、循環しますように。 多様な在り方が実現できる世の中へ。