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真夜中に咲く花

かつてそれを知ったのは

いつの頃だっただろう

花は明るい昼間に咲くものだとばかり思っていた

遅くても、月明かりの夜の帳が降りる頃

そう思っていた

けれど違っていた

咲く花は真夜中に

花は咲く時を知っている

それは真夜中に

ただひとりの人のため

昼間はよそ行きの貌

仮面はいつものを

そんな風に生きている花


星は瞬き月は浮かぶ

人の営みが途絶えた頃に

花は咲く

やっと

ただひとりの人のために

人は寝静まり

やっと

邪魔が入らなくなったから

全てを剥ぎ取り

仮面も捨てて

あるがままの姿で

可憐でたおやかな花の姿で

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