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「東大寺と大仏さま」

◆「東大寺と大仏さま」

 東大寺は、728年、聖武天皇の皇太子、基親王の菩提を追修するために建てられた金鍾山寺に源を発します。

741年に国分寺・国分尼寺建立の詔が発せられたことに伴い、この金鍾山寺が「大和国国分寺(金光明寺)」となり、東大寺の前身となりました。

 そして、東大寺といえば、「奈良の大仏さま」

 東大寺の大仏(盧舎那大仏像)は、聖武天皇の命によって着工され、752年に開眼供養会が行われました。

 743年に、大仏建立の詔が発っせられたのは、近江国紫香楽宮でしたが、諸処の理由により、現在の平城宮に建立することになりました。

 当時の日本は、決して安定した状況になく、737年には、当時の政治の中枢にいた、藤原四兄弟(不比等の子の、武智麻呂、房前、宇合、麻呂)が疫病により相次いで死去。

740年には、九州で藤原広嗣の乱が発生するなど、社会不安にさらされた時代であり、国分寺の建立、東大寺大仏の造立の背景には、聖武天皇の社会不安を取り除き、国を安定させたいという願いがあったようです。

 東大寺の大仏さまは、写真撮影可能です。

奈良(東大寺)の大仏さま

◆「柱くぐり」

 大仏殿の東北の柱には、縦37cm、横30cmの穴が開いていて、その中をくぐれるようになっています。

 この穴の大きさは、大仏さまの鼻の穴の大きさと同じと言われており、鬼が出入りするとされる東北の方角にあるため、邪気を逃すための穴と言われています。

 コロナ禍中は、「柱くぐり」は禁止となっていましたが、2023年6月から再開されています。

 この柱をくぐることができると、無病息災や祈願成就の御利益があると言われ、外国人を中心に、多くの人がチャレンジしていました。

 私も、無事、くぐることができました。

 くぐるためのポイントは、身軽な服装になり、両手を挙げて、肩を対角線上に入れ、ゆっくりと出口の端を手でたぐり寄せることです。

◆「日本三大仏」

 さて、先日、富山県の高岡市にある、「高岡(大佛寺)大仏」を訪れましたが、そこには、「日本三大仏」として、奈良の大仏、鎌倉の大仏と、高岡の大仏と書かれていました。

 調べてみると、「奈良(東大寺)の大仏」「鎌倉(高徳寺)の大仏」は必ず入っていますが、三枠目は、「高岡大仏」の他、「岐阜(正法寺)大仏」「兵庫(能福寺)大仏」等があることが分かりました。

 大きさを比較すると、

・奈良(東大寺)大仏 高さ18m 
・鎌倉(高徳寺)大仏 高さ13m 
・高岡(大佛寺)大仏 高さ16m
・岐阜(正法寺)大仏 高さ14m
・兵庫(能福寺)大仏 高さ18m

 と、それぞれ、地元自慢にしたくなる大きさですね。

 そして、高さだけなら、日本には100mを超える巨大な大仏もあります。

1位:牛久大仏(120m)茨城県
2位:仙台大観音(100m)宮城県
3位:北海道大観音(88m)北海道

 これらは、「日本三大仏」に入らないのでしょうか。

鎌倉(高徳寺)の大仏さま
高岡(大佛寺)の大仏さま


◆東大寺の情報

 ・拝観料 800円 (東大寺ミュージアムとのセット券は1,200円)

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