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amazon 世界最先端の戦略がわかる 感想

はっきり言って日本で、世界で、アマゾンの事を知らない人は、ほとんどいないでしょう。ネット全盛のこの時代、ネット経由で何か買おうと考えたらまずは、アマゾンで探すことを考えませんか?

それぐらい生活に入り込んでいるし、”アマゾンで買う”は共通言語になっていて、誰にでも通じます。この現象は10年ぐらい前から当たり前になっていて、アマゾンが凄い会社であることは、全員知っています。

それでは、なぜ、今更アマゾンの書籍を読もうと思ったのか?

それは、YouTubeのホリエモンチャンネルを見たことがきっかけでした。
このチャンネルは、ホリエモンこと堀江貴文さんがやっていて、著名人との対談や時事ネタについての解説をされています。(登録者数は130万人ほど)

チャンネルでは企業解説コーナーが人気で、GAFAや楽天、トヨタなど有名企業の解説をされています。その中で特に面白かったのが「amazon」だったんです。ネットの黎明期から世界制覇するまでにいたった経緯など、ただ買い物のために使っているだけでは、分からなかった事を知ることができました。その後、もっと知りたくなり書籍を買いました。


上記の動画を見ていただければ、主要なところはだいたいわかると思うので、書籍の方で書かれていることをざっくりとですが紹介したいと思います。

私が読んだのはこちらになります。

「amazon 世界最先端の戦略がわかる」
 成毛 眞 (なるけ まこと)

本書では、アマゾンの何がすごいのか、その仕組みはなんなのか、秘密主義であるアマゾンの全容を徹底的に解き明かそうとする内容となっています。

ネットショッピングでの圧倒的な強さの秘密

アマゾンがネットショッピングにおいて、世界中で高いシェアを持っているのは御存じだと思います。なぜそこまで認知され成長できたのかについて、主な要素は以下となります。

 ・マーケットプレイス
 ・FBA
 ・物流センターと物流網
 ・CCC


マーケットプレイス

アマゾンの強さは、圧倒的な商品数と安い値段を実現できるところです。それを可能にしているのが「マーケットプレイス」という仕組みです。
マーケットプレイスは、アマゾン以外の外部事業者が出品できるサービスで、商品数は2016年5月のデータで、約3億5000万品目に上ります。(現在では、さらに増えていることは間違いないですね)

外部事業者がこれほど集まるのは、この仕組みが外部事業者と消費者、両方に利点があるからです。

アマゾンの商品画面は、出品者ごとに区別せず、同じフォーマットを共有しているので、新たに商品画面を作る必要はありません。そのため、外部事業者は大幅に手間を省くことができます。

消費者にとっては、一つの商品画面しかないため、売っているのがどの事業者か気にする必要がありません。また、アマゾンが支払いを管理しているため、見も知らない事業者にクレジットカード番号を知らせなくていいという利点もあります。

マーケットプレイスは、多くの事業者と消費者に利点を与えることで、商品数を増やし、事業者間の競争で安値を実現させています。このような状況は、リアルの小売業者に脅威をあたえ、もはや「アマゾンと戦う」のではなく、「アマゾンをいかに使うか」に変化してしまっているのです。

◆FBA

FBAはフィルメント・バイ・アマゾンの略で、利用すると、どんな企業でもアマゾンのインフラを使用することができます。商品の保管から注文処理、出荷、決済、配送、返品対応まで全てをアマゾンがまとめて代行してくれるサービスです。

マーケットプレイスを利用する企業や個人が、アマゾンの倉庫に商品を預けるだけで、あとはアマゾンが売ってくれる仕組みです。特に人手が限られる個人商店や中小企業には、大きなコスト削減につながるだけでなく、年中無休で即日発送できるため、すぐに欲しい顧客の機会ロスも防げます。

FBAの利用料金は、商品の面積や預けた日数に応じた在庫保管手数料と、商品の金額と重量にもとづく配送代行手数料のみです。月額の固定費用がないことも含め、個人や中小企業にとっては大きな魅力となっています。

◆物流センターと物流網

アマゾンにとって物流は、楽天などの他社を大きくつき離すための「サービス」と位置付けており、莫大な投資を行っています。多様な商品を安く、早く、安全に消費者に届けるため、アマゾンは国内だけでも全国20か所に強大な物流センターを建設しています。

物流センターでは、商品を効率的に出荷するため「KIVA」というロボットを活用しています。KIVAはルンバに似た、オレンジ色の機械です。棚の並ぶ倉庫内を人間に代わって動き回り、商品を棚ごと回収して、持ち場にいる従業員のところまで届けてくれます。

以前だと、ピッカーと呼ばれる従業員がピッキング作業用のカートを何時間も押していましたが、KIVAの導入によって数分で完了できるまでになっています。

アマゾンの日本での物流は、主にヤマト運輸と日本郵便がになっています。この2社の配送だけでも十分に良いサービスを受けられていますが、より早く、安く届けるために自前の物流網の構築にも力をいれています。それが「アマゾンフレックス」です。

アマゾンフレックスは、ウーバーイーツのような配達システムで、個人事業主が配送業務を代行します。個人事業主は働く日時、エリアを自由に決め、自分のペースで報酬が得られる仕組みとなっています。専用のホームページもあり、仕事内容の紹介や募集も行っています。(Amazon Flex JP

CCC

CCCはキャッシュ・コンバージョン・サイクルの略で、仕入れた商品を販売し、何日間で現金化されるかを示したもの。このCCCは、小さければ現金を回収できるサイクルが短いということで、手元にキャッシュを長い時間持つことができる。つまり、CCCは小さければ小さいほど良い事になります。

小売業界の一般的なCCCはプラス10~20日程度といわれる中で、アマゾンはマイナスとなっています。飲食業もその場でお金を受け取り、材料費や人件費などは支払いが後になるため、マイナスです。しかし、アマゾンが凄いのは、飲食業でだいたいマイナス10日ぐらいなのに対し、アマゾンはマイナス28.5日です。

極論すれば、物流センターにある商品が、販売される約30日前には現金になっているということになります。アマゾンはCCCのマイナスが大きいことで、手元に潤沢な現金が残り、それを巨額の投資や新たな事業を次々に展開しています。

因みにアマゾンのCCCマイナスのからくりは、マーケットプレイスが関係しているといわれています。マーケットプレイスは、消費者からの支払いをアマゾンが一括して受け、手数料を引いた金額を数週間後に事業者に返している。この一時の「預かり金」がCCCマイナスの要因となります。また、アマゾンはその圧倒的な商品購買力を盾に、直販分に対しても、仕入れ先への支払いをかなり先に設定しているともいわれています。

以上、ネットショッピングでのアマゾンの圧倒的な強さについて、4つの項目で紹介させていただきました。まとめると、マーケットプレイスで多くの外部事業者を呼び込み、FBAの便利さで離反できなくする。それら二つのサービスで圧倒的な商品数と安さを実現し、最先端の物流センターと優秀な物流網で消費者に商品を届ける。最後にCCCによる潤沢な手元資金で、さらに投資を行う。そうして、他社をどんどんつき離していく。

かなりざっくりとした説明となってしまいましたが、ネットショッピングでのアマゾンの強さについて、少しはお伝えできたでしょうか?本書は、この部分についてもっと詳細に掛かれていることは言うまでもありかせん。もし、興味をもっていただいたならば、是非、読んでみてください。

最後に少しだけ、アマゾンが行っているネットショッピング以外の事業の一つを紹介したいと思います。それは、AWSです。

AWSとはアマゾンウェブサービスの略で、現状アマゾンの利益の大半を稼ぎ出しています。AWSは、企業向けにクラウドサービスを提供している事業で、その規模は世界最大です。

クラウドサービスとは、企業にサーバーを提供するサービスです。
大半の企業は自前でサーバーをもっていますが、データ量が多くなればなるほど、その保守管理に多大なコストが生じます。

そこで、AWSは巨大なサーバーを用意し、その中のシステム(高度なデータ解析、AIを活用したサ-ビス)をオンラインであらゆる企業に提供する仕組みを整えています。AWSを導入する企業は、自社内にサーバーを置く必要がなくなったり、独自のシステムを開発したりする必要がなくなる。そうして、多大なコスト削減をすることができます。

AWSの顧客には、ゼネラル・エレクトリック、マクドナルド、ネットフリックスなど大手企業から、米中央情報局(CIA)や米航空宇宙局(NASA)などの公的機関もあります。日本では、日立製作所や三菱UFJ銀行なのどの企業のほかに、2021年9月に設立されたデジタル庁も顧客となる予定です。

以上、本業のネットショッピング事業以外にも、AWSというとてつもない事業を抱えるアマゾンについて紹介させていただきました。

身近だけど実は良く分かっていなかったことに、本当に気づかされます。

ここまで、読んでいただいてありがとうございました。

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