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新春脱出島に学ぶ、プロダクト開発アンチパターン

こんにちは、プロダクトがしゃがんで磨きまくってる時期のため、オープンに出来る情報が少なく note の更新大変になってきている kan です。粛々と開発は進んでいるので、早く多くの情報が公開出来るようになると嬉しいなと思っています。

今日は、1月3日にやっていたテレビ番組をテーマにプロダクト開発アンチパターンについて学んでみたいと思います。

1月3日に進出脱出島 SPという番組がやってたのをTVer で見つけて、ご飯やお風呂などの作業の合間に見てみました。

番組の前半は、主に無人島で料理や魚突きを愉しみつつ、後半はイカダを自作して無人島から脱出するという内容です。

この後半のボート作りがプロダクト開発の実践に示唆があるなと感じたので、今回はどんな内容だったのかまとめてみたいと思います。

はじめに 1 点断りですが、出典を明記した上でキャプチャをいくつか使わせていただきますが、もしも問題あれば公開を止めますので関係者の方ご連絡ください。

工藤さん : プロトタイプテストをせずに本番展開

初挑戦の工藤さん。農業をやったりサバイバルの知識は豊富に持っているため、終始楽しそうに色々な知識や知恵を活用してイカダの開発を行っていました。

そんな工藤さんはイカダのプロトタイプを作成して試運転を行うことはしませんでした。「濡れる・冷たい」という 2 つの理由だそうです。

出典 : TVer 「アイ・アム・冒険少年 」

そして工藤さんはプロトタイプでのテストをすることなく、ぶっつけ本番でイカダで 3km 走ることを決めます。頭の中ではしっかりとイメージできてそうでした。

実際に完成したイカダは、ウキを繋げたシンプルなイカダでした。イカダ自体はだいぶ安定をして進んでいました。ただ、出航直後に異変が生じます。

出典 : TVer 「アイ・アム・冒険少年 」

座席部分を平らな板にしていたため、体制を維持するのがキツく身体に痛みが生じてしまいます。出航してすぐだったので、試運転をしていれば気づけそうな部分でした。

出典 : TVer 「アイ・アム・冒険少年 」

試運転をせずに身体が痛む状態でイカダを走らせた結果、何度もイカダの上で止まってしまうことになります。体制を変えたり身体を伸ばしたりしないと痛みで漕ぐことも出来ないようです。

〜教訓〜
自信があっても仮設検証はしよう

プロダクト開発において、回り道に見えるのでテストやプロトタイプを用いたスモールな検証を避けるケースをたまに見かけます。

ただ作りきってから治そうにもシステムはそこまで小回り出来るようなものでもありません。

なので小さな仮説に分割して少しずつ仮説検証をしていくのが大切なのだなと、改めて感じることが出来るケースでした。

仮説を分割せずとも、コアな部分だけで製品を試して、コアな部分の修正をして強固にしていき、しっかりとした幹を立ててから枝葉を作るのが王道であり最短の道なのだなと示唆のある内容だなと感じました。

ジュニアさん : 夢とやりたいことが詰まったボート

個人でボートに乗ったりキャンプをしたりアウトドアを楽しむ千原ジュニアさん。 自身でずっと冒険島への出演を希望して念願の初挑戦とのことでした。

プロトタイプの試運転では、発泡スチロールと木をつなぎ合わせたシンプルなイカダでまずはトライ。初体験のため小さく検証を進めていくようでした。

結果は無事に浮かび少しですが進むことができました。改良をしていけば脱出できる手応えを手にして、目を輝かせてイカダ開発色々やろうと決意をしていました。

出典 : TVer 「アイ・アム・冒険少年 」

その後も開発を続けて結果できたイカダは実際の帆船によく似た形のもの。船首の形もしっかりと実現されていて、船と風を切れるように。そして追い風の時に活用するための帆までも作成していました。

出典 : TVer 「アイ・アム・冒険少年 」

〜教訓〜
いくら準備をしても
マーケット・トレンドに抗うものでは伸びない

ただ、実際に走らせてみると、当日の天候により作成したものが全て裏目に出てしまいました。

当日はあいにくの空模様で、強い向かい風が海から陸へ吹き付けていました。そのため、船首と折りたたんでる帆が風を受けてしまい、前に進むことが出来ず何度も陸に打ち上げられてしまいました。

結果作成した船首と帆の部分を全部切り取って脱出を再開します。すると風の抵抗が少なくなり、少しずつですが前に進むようになりました。

特定の条件下ではためになるパーツを色々と追加したジュニアさんですが、全て逆に条件が影響して、風をモロに受ける状況になってしまっていました。

「手漕ぎ・出航日時が決まっている」という状態なので恐らくどんなイカダを作っても成功は難しい状況だったのではないかなと思います。

プロダクト開発もタイミングが合っていることが重要です。マーケットに広く広まっていくプロダクト・機能を、マーケットの準備が出来てるタイミングでリリースすることが大切になります。

あばれる君 : 経験から短時間で高品質なイカダ

過去もほぼ毎回くらいの頻度で脱出島に取り組んでいるあばれる君。過去の挑戦は全て無事にボートを作り脱出を成功させているようです。

今回も、過去の経験から、今回作成したイカダも一工夫も二工夫もされた優れものでした。そのノウハウや知見から、今回の企画では「うさぎとかめ」というコンセプトでボートを作っていました。

安定して手漕ぎでゆっくり進む「かめ」の面がメイン。船をひっくり返すと帆を立てられるスペースがあり、風を掴んで早くスピードで進む「うさぎ」が出現するというこだわりのプロダクトを計画していました。

そして持ち前の経験とノウハウでさっとプロトタイプ版を作ります。波除を船首につけて、プロトタイプ版からぐんぐん進んで既に安定運用できそうなプロダクトを作り上げてしました。

出典 : TVer 「アイ・アム・冒険少年 」

素人目から見ると「いやもうこれで最終形なんじゃないの?」と見てて思ったのですが、あばれる君的にはまだまだやるべきことがあるようでした。

〜教訓〜
実績とノウハウは
早く確からしい方向に進むための最善の装備

プロダクト開発に置き換えると、あばれる君は実績とノウハウがある凄腕エンジニアです。自前のノウハウやベストプラクティスを持っていて、最短で最も確度の高い製品を作るスキルを持っています。

スキルがあるエンジニアであれば、当然単価も上がります。素人目には単価の妥当性を評価することは難しいので、適切に発注するのは困難です。というか相性もあるのでやってみないと分かりません。

今回のあばれる君のイカダを見ても素人のぼくには他のイカダに比べて優れているのかは全然わかりませんでした。しかし実際に海の上を走り出すとやはり圧倒的なものがありました。

スキルを持ってる側としては実務で見せて証明していくしかないなというのも示唆のある内容だなと感じました。

そんで作った完成形。 凪のときも時化のときにも対応可能なイカダのようです。すごい。作成中の大変なプロセスでもずっと笑顔で楽しんでたし、こんな風に働けるようになりたいものです。

出典 : TVer 「アイ・アム・冒険少年 」

結果

結果もかなりプロダクト開発に対して示唆のある内容でした。

イカダの品質だけを見るとあばれる君の圧勝で、その他 2 名は脱出が出来ないのではないかと思わせる製品でした。ところが実際の結果は予想とは違うものでした。

としては試運転を行わず、序盤で身体に異変を感じた工藤さんの圧勝でした。 風向きと潮の向きが味方してイカダの品質を補ってくれたのです。

品質の高いイカダを作ったあばれる君は、序盤は快調に飛ばしリードをするものの、途中から完全な向かい風でいくら漕いでも押し戻される状況に。運が味方せずに日が暮れてからのゴールとなりました。

マーケットやトレンドには抗えないという結論まで含めて、プロダクト開発に示唆のある内容で、三ヶ日から色々と学びがある内容で見入ってしまいました。制作の方々・演者の方々ありがとうございました。

アウトドア業界で事業をするモノとしては、いつかジュニアさんやあばれる君とお仕事ご一緒出来る未来に向かって、粛々と頑張って行きたいと思っています。

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お酒と映画と読書が大好きで夜も眠れません。たくさん働きます。 プロダクトマネージャー ← 受託開発会社代表(コーディング/セールス/PM)。 fintech / プロダクト / 映画の呟きが多め。 ストーリーあるものが好き。