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印刷の仕組みと価格

そもそも印刷物の値段は、どうやって決めているのだろう。
オフセット印刷の仕組みを交えながら、考えてみた。

❶印刷代金の基本

オフセット印刷の仕組みから考えるとお金のかかるところは、ネット印刷会社も地域の印刷屋さんもほとんど変わりません。

◎入稿データを版(ハンコにあたるもの)にする。
 モノクロ、カラー印刷等インクの色数だけハンコが必要です。カラー印刷の場合、4つのインク(シアン、マゼンダ、イエロー、スミ)を使用します。

◎印刷機に版、インク、用紙等をセットし試し刷りを行う。
 ここまでが準備作業として必ず行われています。

◎印刷する。
 受注枚数に後工程での予備を含めた数を印刷します。

◎製本や折りなどの後加工をする。
 冊子や本の場合は紙を重ねまとめ綴じたりする製本作業、紙を指定のサイズに綺麗に切りそろえたり(断裁)折り加工をします。

★上記工程代金に用紙代を加えたものが印刷代金の基本です。

❷地域の印刷屋さん、最少発注枚数は700部位から

ネット印刷会社(ネットからのみ印刷物の受注、データ入稿を行っている会社)ではない、地域の印刷屋さんでは、最少発注枚数はどのくらいで、いくらくらいかかるのだろう。

以前の文章(「コピーではない、高品質な印刷(オフセット印刷)が少部数から安い!」)と比較できるよう印刷仕様が同一で最少発注枚数と金額を計算してみた。
※金額、課金設定等は、各印刷会社、地域等により異なる。そこで一般財団法人 経済調査会発行「積算資料印刷料金2018年版」の東京地区料金を参考にしました。
※金額設定に納期の長短はありません。
※金額に割増料金は含まれません。(インク使用料が多い場合や、折り加工等で割増料金が発生します。)
※配送費は含まれていません。
※諸経費は、営業費や資材・印刷物の管理費等に係るお金で、各印刷会社により諸経費率は異なります。

もちろん上記枚数以下(700枚以下)でも受注しているが、金額は劇的には変わらない。

印刷仕様が同条件で、印刷枚数が700枚・発注から発送まで営業日7日間でのネット印刷金額は以下の通り。

❸まとめと謎

◎仕組みから考えると印刷では、工程ごとに最低料金の設定があるので、700枚以下では殆ど値段が変わらない。

◎ネット印刷では、100枚から受注し、金額もかなり安い(カラー印刷が特に安い!)。受注方法と効率のよい印刷で低価格を実現している。

次回は、「ネット印刷が安いワケ」を解き明かします。

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