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メリークリスマス

昨日はパートナーと千葉のDIC川村記念美術館へ行った。付き合う前のデートで出かけた先で、2人にとって思い入れのある場所なので、1年の締めくくりに再訪しようという話になったのだった。
以前と同じように他の誰へも抱かない特別な気持ちで、でも以前とはちがう関係性で、手をとって同じ電車に乗った。
冬のDICは木々の葉が落ち芝が枯れて、緑の彩度が落ちたおかげで空のはるけさが際立っていた。冷たくて清らかな空気を吸いこむとそれは肺をこえてどこまでも身体を拡張してやがて私と空が溶け合って透明になってしまうかのように気持ちがよかった。
森にすむ小鳥たちはおしゃべりで、湖をわたる白鳥や雁はしずか。
時間がながれた。
パートナーは茶室で煎茶を呑み、久しぶりのカフェインにからだが疲れてしまい帰りの電車で脱力して眠った。
呼吸に合わせてたゆたう柔らかな肌をずっと見た。以前は緊張してちっとも見つめることのできなかったうつくしい肌だ。大切な人と大切に時間を積み重ねて今日を過ごせることの豊かさがしんしんと沁みとおって胸がはりさけるほど痛い。
初めて手を繋いだ日の帰りの電車も嬉しくてこんなふうに痛かったことを思い出した。DICに行った以前の私は、まだこの気持ちを知らない。
今年、本当にたくさんのものをもらった。
彼の毎日が、私がもらったもののようにどこまでもおおきくてはるかな喜びに満ちていきますように。
メリークリスマス。
とってもいい一日だった。