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選択肢は多ければいいというわけでもない

「夏だし、もっと涼しい格好したら?」

何気なく言われたりするが、

私は肌を出したくない。

数年前に、手や脚にひどい湿疹ができて、それが延々と治らない。

半袖になると、大体「どうしたの?!」と必ず言われたりするし、相手をいちいち心配させてしまうのが嫌だ。

これからの季節は正直キツイ。

しかし、利点もある。

無限の選択肢から、服を選ばずに済むということだ。

長袖の涼しい服

という条件を課すと、大分、選択肢が狭まる

その他いろんなコンプレックスがあるので、隠したい

とかも条件追加すると

かなーり狭まる

「今日は、この服着ようかな」

「この服買おうかな」

は、割とすぐ決まる。

なので、大分、楽だ。

話を介護に移そう。

利用者に、

「何を食べたいですか?」
や、

もっとオープンなクエスチョンである

「何かやりたいことありますか?」

なんて、何気なく質問してしまうことがある。

その結果、「特に…」

といった返答がくる。

それを真に受けて、

「特に食べたいものもないし、やりたいこともないんだな」

と介護職が解釈して

ジ・エンド。

いやいやいや!

人間、選択肢ありすぎると、思い浮かばないものだ。

「何食べたいですか?」
という質問を、

「和食にしますか?」

「洋食にしますか?」

「今日はこんな食材が冷蔵庫にありしたよ〜」

「あっ!このチラシ見てくださいよ!美味しそうなラーメンですね!」
(ツールがあった方がなお良し!)

に変えるだけで、

出てくる出てくる溢れる想い。

次の質問。

「何かやりたいことありますか。」

について。

そもそも、

「何かやりたいことありますか。」って急に聞かれて、パッと答えられる人ってどれくらいいるのだろうか。

思いついたとしても、「忙しそうだから悪いな。」「どうせできないから、言っても無駄だよ。」と考えてるかもしれない。

やりたいことを探すためには、ダイレクトな質問をしてもなかなかうまく見つけられない。

いままで、どんな生活をしてきたのか。
何が好きか。

そんな日常会話にヒントは多く隠れている。

以前、「何もしたいことはない。家に閉じこもっていたい。」という、利用者がいた。

昔よく美術館に行っていたという情報をゲット!

美術館に、何度も何度もしつこく誘うも、撃沈。

その後、たまたま、シルバーデーで、無料で美術館に入館できる日がある情報を仕入れ

それを武器に誘った。

そしたら、見事オーケーをいただいた 笑

存分に美術館を楽しんだ。

後日、「今度は、〇〇美術館に一緒に行きましょう!新聞屋からチケットをあなたの分も取っておいたわよ。」

あれだけ、閉じこもってたのに、自分から誘ってくれた。

いや〜嬉しかった。

その後も、あらゆるお誘いが続いた 笑

できない、できない、できない が続くと、何もできないと思い込んでしまう。

そんななかでも、一度 「できる」を経験すると、

意欲や想いが溢れ出す。

そんな瞬間は何度もあった。



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