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なぜ人は無能になるのか

有能な人が無能になるメカニズムとして「ピーターの法則」があります。

1.能力主義の階層社会において、人間は能力の限界まで出世すると
  無能な管理職になる。
2.無能な人材はそのままの地位に落ち着き、有能な人材は出世して無能な
  管理職の地位に落ち着く。
  その結果、どの階層においても無能な人材で埋め尽くされる。
3.組織の仕事は、出世する余地のある無能に達していない人材によって
  行われる。

階層社会に限らず、昔は有能だった人が今は無能、との評価になってしまうのはそこかしこで見られます。
 トップセールスマンだったが今は売れないセールスマン
 昔はすごい成果を上げていたが今は鳴かず飛ばず
 一時期はエース社員と言われていたがいつの間にかいなくなった
 などなど

出世の有無だけではなく、昔は有能だったけど今は無能、と言われる。
なぜこのようなことが起こるのか。

一言で表すなら
「期待を超えるだけの成果としてのアウトプットを出すことができなくなった」から。

仕事を始めたときは何もインプットされていないため
アウトプットを出すことができない。
その時点では無能。

アウトプットを出すために、インプットをしていく。
営業であれば営業の研修を受ける。
エンジニアであればプログラミングを学ぶ。
事務であればオフィスソフトの使い方を習得する。
などなど。

インプットを続けていくと徐々にアウトプットを出せるようになっていき、
周りの期待を上回るようになる。

期待を上回ると、あの人は有能、と言われる。

さらにインプットを続けていくと、アウトプットが高まっていく。
そして、その人がその時点、その環境で得られる最大の知識、経験、
ノウハウ、知恵を獲得するようになる。
インプットとアウトプットの限界点を迎える。

限界を迎えると人によっては独立する。
人によっては役職が上がる。
人によっては役割が変わる。

すると、その人に対する周りの期待が大きく変わる。
大きく変わったこの瞬間を境として、徐々にアウトプットが出せなくなっていき、最終的に無能になる人がいる。

なぜか。

人の体は1日ごとに劣化をしていく。
単純に体力が衰えていく。
新しいことに対する興味関心が薄れていく。
覚えられたことが忘れていく。

体は劣化していく。
一方で社会は日々進歩していく。
IT化。ドッグイヤー。シェアリングエコノミー。ダイバーシティ。
社会の進歩を現す言葉は無数にある。

そのため、劣化していくのは体だけではない。

社会の進歩によって、自分しかできなかったことが誰もができることに変わっていく。
社会の進歩によって、自分しか知らなかったことが誰もが知っていることになっていく。

社会の進歩とは裏腹に、今まで成功していた方法ではアウトプットが出せなくなる。
自分が持っているアウトプットを出す知識、経験、ノウハウ、知恵が劣化していく。

社会の進歩が自分が持つ知識、経験、ノウハウ、知恵を超えた瞬間
人は無能になる。

無能になるタイミングはその人が持つ最大の知識、経験、ノウハウ、知恵次第であり、早いか遅いかの違いしかない。

無能にならずに有能であり続けるためには期待を上回り続けるしかない。
体の劣化と社会の進歩を上回る質と量と早さでインプットを行い、
アウトプットを出し続ける。

それができる人だけが有能であり続けることができる。

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