非開示決定_20190806__2_

【不存在を導く】「立ち止まって検討する」も空手形

不存在を理由とする非開示決定が届きました。
小池都知事は,築地市場の豊洲への移転について,「立ち止まって検討する」と言っていたはずです。「市場問題プロジェクトチーム第1次報告書案(案)」の「はじめに」の冒頭でも以下の記述があります。

2016 年(平成 28 年)7 月 31 日に行われた東京都知事選挙で当選した小池百合子都知事は、選挙期間中の 7 月 22 日に豊洲市場問題について「立ち止まって考える」と発言していた。
(http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijoupt09/04_houkokusyoan.pdf)

しかし,開示請求に対する非開示理由では,方針には一度も変更がなかった,だから都庁として(※)公文書が存在しない,となっています。
記者ないし私が憶測で「そもそもあの発言は空手形だった」と言ってるんじゃないんですよ,知事公印(トリミングしてしまいましたが非開示決定には公印が押されます)のついた公文書の回答がこう言っているんです。
しかも,この非開示決定によれば,「豊洲移転」だけでなく,「築地市場解体」も一度も揺らがなかった,誰も止めなかった方針だったのだ,ということになります。
(※)開示文書でいう「実施機関」とは,「東京都全体」を指します。「うちの部局では知らない」という意味ではありません。

これには2つ可能性があって,1つは「公文書は実はあるんだけど公開したくないのでなかったことにしている」可能性,もう1つは「本当にこの文書のとおり一度も検討したことがない」という可能性です。
しかしこう書けば誰でも分かると思いますが,前者だと隠蔽および有印公文書にウソを書いたということになり,後者だと無能無策無責任のそしりを免れません。どちらにしてもロクな都政ではないのは間違いないところです。

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