排泄介助の改善方法

有料老人ホーム入所当初は、見守り介助でトイレまで自力歩行も可能

施設に入所した当初、Aさんの介護レベルは要支援2。立ち上がりの際に支える程度の介助は必要としたものの、見守りによる自力歩行ができる状態でした。

排泄も同様で、立ち上がり以降を見守るレベルだったAさん。ところが体重増加に伴い、次第に歩行レベルが低下していきます。

入居半年で体重が10キロ増加!ADLが悪化しトイレまでの歩行介助を要するように

入所当初、Aさんの体重は80キロでした。背も高く大柄な体形でしたが、肥満度を示す体格指数(BMI)は標準だったAさん。

ただし、施設で暮らすようになってからは、元からこれといった趣味もなく、積極的に運動をするようなタイプでもなかったことから、間食が目立つようになりました。

そのせいか入所から半年後には、体重は10キロ増の90キロに。もともと膝と腰に痛みを抱えていたこともあり、ベッドからトイレまでの歩行介助が必要になっていき日常生活動作(ADL)のレベルは悪化しました。

体重を減らすための運動も拒否。歩行レベルは改善せず

Aさんの体重増加を懸念した看護師の沼田さんは、医師に相談しましたが、所見は様子観察。「BMIの数値は軽肥満であり、Aさんの楽しみである間食を無理やり奪うほどの状態でもない」というのが判断理由です。

一方で、「作業療法士による指導や訪問リハビリなどを利用して、体重を下げながら歩行レベルを回復させたほうがいい」との助言も医師からもらっています。

しかし、Aさんは歩行訓練を渋るため、状況は改善することなく、平行線をたどったままでした。

介護施設の排泄介助への対応

体重増加で歩行介助が必要になったAさんですが、介護施設側の対応は短絡的なものでした。

介護施設からAさんに対し、身体機能改善の働きかけはなし

歩行訓練を拒むAさんに対し、介護職員は本人の意向に従うのみ。介護職員からAさんへ、歩行レベルを回復させるための積極的な働きかけはありませんでした。

そんなある日の申し送りでのこと、一人の介護職員の提案により、Aさんの排泄介助が大きく変化します。それは、「尿器やポータブルトイレを使用した排泄介助を試みる」というもの。

Aさんの排泄はポータブルトイレに

当時の施設の状況は人手不足で、特に夜勤はコール対応に追われる問題を抱えていました。Aさんの排泄介助を尿器・ポータブルトイレにするという提案は、介護職員の負担を軽減させるためだったのです。

実際に夜勤の担当者は、Aさんから「トイレに行きたい」とナースコールで呼ばれても、「無理に立ってトイレに行くよりも楽だから」と、尿器で排泄介助を行うようになりました。

しかしAさんから、「尿器では排泄しにくい」と言われたことで、ポータブルトイレでの介助に変わり、そうした夜勤時の対応が日勤帯にも定着していきました。

※情報引用元
自動排泄処理ロボットシルバーは介護における夜間の排泄処理の介護者の負担を軽減するために生まれました。
介護ロボット「シルバー」は、清潔で快適な排泄をお手伝いします。

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