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修了考査のための勉強法(会計苦手な人向け)

ご無沙汰しております。
修了考査の結果が発表され、無事に合格しておりましたので、私が行った勉強結果とその結果としての成績を公開します。
今後の修了考査受験の参考や、会計が死ぬほど苦手な方にとって勇気となれば何よりです。

1.令和4年修了考査の結果

(※A:得点率70%以上、B:70%~60%、C:60%~50%、D:50%~40%、E:40%以下)

修了考査成績成績

成績はよくありません。会計が苦手な会計士なんて生んでしまって大丈夫なのでしょうか。
そもそも総合60%以上が合格点になりますので、総合Cをとると不合格ということになります。さらに、会計・監査・税は各300点の配点ですから、この3つを平均してB(私のようにC-B-Aなど)を取らなければ相当苦しい戦いになります。

2.修了考査に向けた勉強データ

①予備校及び答練の結果

予備校はCPAを選択しました。
私は会計士試験予備校としてLECを選択しましたが、LECは修了考査対策講座を持っていないので、勢いのあるCPAにしました。
CPAの答練は9月下旬くらいから始まったと思います。

答練の結果は下記のとおりです。
答練は一回を除き全てライブ受講したので、全て制限時間内に真剣に解きました。それでこれです。修了考査受験生のレベルの高さに驚愕しました。

CPA予備校答練結果一覧 [ ]内は点数

逆にいえば、答練がこの程度の成績でも、修了考査にその年に合格することは可能ということです。

②補習所短縮コース

私は補習所短縮コースでしたので、2022年は補習所にも通っておりました。
そのため考査(監査・税)もその年に並行して行っており、知識の忘却のないまま修了考査に突入することができました。
あとで説明しますが、予備校の答練は「修了考査の傾向と比べると、ちょっとなんか変」なので、考査の問題を解いたときの「感覚」を多少残していたのが非常に役に立ちました。

3.修了考査までの勉強スケジュールと内容(総勉強時間 約300時間)

 前述のとおり、補習所も並行していたので2022年の勉強スケジュールは以下のような感じでした。
 私は仕事が忙しく、会計事務所の若手の人たちのように1か月の試験休暇をもらえるはずもなく、試験休暇は12月5日~9日の5日間をなんとか確保するのが限界でした。それでも、これがなかったら多分落ちていたと思います。

3月頃:
CPAに入校(修了考査対策講座)。これは早くから勉強をしたかったわけではなく、補習所の考査勉強のための自習室としてCPAを使いたかったからです。
4月~6月頃:
とにかく補習所の考査・課題研究の対策のみ。
7月頃:
IFRS関係の予備校講座を視聴開始。また、自分の弱点だった連結をはじめとする、修了考査対策講義を視聴開始。税も最初の方の頻出のところの分野の講座を視聴開始。
9月頃:
答練が開始。答練サイクルを回し始める。
※答練サイクル:第1回の答練を受けたあとは、第1回の答練を復習し、関連するところを第2回答練までに行う。第2回答練を受けたあとは・・・のサイクル。
11月頃:
答練終了したので、答練を全部やり直し。本当は3周したかったが、2周が限界だった。
12月:
最後の1週間(令和4年度は12月10日・11日が当日)はさすがに試験休暇をもらい、月~金をかけて、令和元年から3年度の過去問を解いた。また、補習所の考査にもざっと目を通す。

 以上です。9月頃からは平日毎日2時間程度、土日各5時間程度は勉強していたと思います。そのため、単純計算しても週20時間×12週で240時間程度でした。
 最後の1週間(毎日6時間くらい)と8月までの講座視聴を合わせてもトータルで300時間に届かないくらいだと思います。

4.振り返ってみて何がポイントだったか。

①ペースメーカーとしての答練は必須

修了考査を独学で勉強する方もいらっしゃるとは思いますが、やはり予備校の答練をペースメーカーとして取り入れるのは必要だと思いました。
私の言うところの「答練サイクル」を回すだけで「次は何を勉強しようかな」等という無駄な時間は削減できます。
また、予備校は答練に「これでもか」というほど網羅的な事項を盛り込んでくれるので(本当に量がおかしい)、受験生が勉強する範囲をだいぶ網羅することができます。

②予備校を信じすぎない

ペースメーカーとしての予備校答練は有用ですが、予備校の出題の仕方は修了考査の過去問と比較すると「なんか変」な感じがします。
これは会計士試験のときからそうなのですが、予備校の出す問題は「洗練されていない」ように思えます。ですので予備校の答練の内容を復習して「完璧」にしても、たぶん修了考査本体でオールAは無理な気がします。

③税と倫理は努力で何とかなるが、会計はこれまでの蓄積がモノをいう。

私はご存じのとおり、会計士試験の1次試験は免除され、2次試験では企業法・民法ブーストで会計学偏差値49にもかかわらず合格したクチです。
そのため補習所の考査では死ぬほど苦労しましたが、それでも補習所の考査は会計だけではなく監査の要素もあるので、なんとか落第はしませんでした。
なので修了考査の「会計」については、結局一度も答練でC以上を取れないというザマでした。

しかし税は試験の様式がカチっとしており、取れるところを落とさなければ(たとえば消費税の中間納付額など)それなりに点は積めます。それ以外も、きちんと暗記・記憶しておけば点数を重ねられます。
また、会計倫理はほとんど記憶ゲーですから、効率よく暗記しておけば点数に直結します。
監査だけはわかりませんでした。とにかく答練復習と考査で出てきた論点(項目)をマスターした程度でした。

④試験会場の近くに泊まる

皆さんももう職業を持っているはずですから、試験日がわかったら、試験会場(東京の場合はR4は九段下か横浜)の近くに宿を取ってください。
とにかく、修了考査の2日間は相当のストレスと疲れが溜まります。私は2泊3日で臨みました。
実際、横浜会場はどちらかの日程で公共交通機関の遅れによって試験開始が30分遅れました。宿泊組であればこういうトラブルに巻き込まれず、また、心もかき乱されません。
宿泊費用は安くはないのですが、あと1年勉強することと比べれば普通は安く感じるはずです。

⑤当日は「黒い塗り絵」にする

会計士協会でのビデオメッセージや考査・補習所での様々なうわさを聞いていてもわかるとおり、修了考査は「落とすための」試験ではないです。
しかし問題のレベルが高すぎるのと、いかんせん量が多すぎることもあって、「落としたくはないのだが落ちてしまうのを助けられない」試験になっていると思われます。
ですから、修了考査当日は「白い余白はすべて埋める」気持ちが大事だと思いました。
司法試験、そして二回試験(法曹版の修了考査)いずれも「手がかりさえ書いていれば点が付く」ことは体感していたので、修了考査はとにかく何か書き込むことにしました。
最後、答案回収の際に自分の答案が回収されたときに「黒い塗り絵みたいになってるな」と思ったのを今でも印象深く覚えています。

以上、いつもどおりの雑文ですが参考になれば幸いです。


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