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白トラ参2 脳がデカいのか?

 幼少期の頃、特に色濃く覚えている体験・記憶が何かあるとすると‥

 まず記憶力だけは凄かった。一般的に大人から見れば、若い時は誰しも驚異的な記憶力を発揮出来る傾向にあるとも思うが、白へびは全てをレコーディングしていた。

 悪く言えば、全てを根に持っていた。良く言えば‥。良く言えるのかな?
 良く言えば、VHS時代、テレビで一瞬言われた何かのワードを直ちに記憶出来た。一度聞いただけで、一度見ただけで、とっさにビデオデッキに電源を入れ録画ボタンを押してビデオデッキが録画を開始するまでの15~20秒の間にそのシーンが終わってしまっても、白へびは完璧に覚えていた。

 イイもワルイも全て自分が見たモノ聞いたモノ体験したモノは全ての感覚において覚えていたようだ。それだけ暇だったのかもしれない。

 30代半ば、一時期帽子に興味を持った。お店の陳列を見て回る。時によさそうなデザインの帽子を手に取り、備え付けの鏡の前でかぶったりしてみた。すると‥

 頭が入らない!

 殆ど(ほとんど)の帽子に頭が納まらない。

『何でだよ、‥これじゃぁ、脳がデカくて頭がデカくて、オレの頭がイイと思うしかないじゃないか』

 帽子を買う気で行くといつも、気になるデザインの帽子に限って頭が納まらない。だから帽子を買うのを諦めた。

 つまり、記憶力の良さは脳がデカいせい‥かと思ってみたりしていた。

 つづく