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白トラ参13 白い赤ちゃんへびに遭遇する 続き3

 バンダイナムコエンターテインメントはグループ会社と称して、ゲームソフトを企画・開発出来る会社を数社持っている。そのうちの一社に、今自らを白へびと名乗るこの痛い男は20年ほど勤務していた。

 35~7歳か、それくらいのある日のこと。

 昼下がり、自販機のある休憩スペースに眠気覚ましに行ってみる。するとそこに、いつも腕に大玉のヒスイを装備した、見えないものが見えちゃう系の先輩グラフィッカーが居た。
 僕は当時はまっていたオロナミンCを片手に、当たり前にスムースに思い出された白へび遭遇の記憶を話した。

「そういえば、白いへびを見たことがあるんですよ、子どもの時に」
「お!そうですか!何処でみました?」
「実家すぐ近くの古い石垣で、葉っぱが覆い茂った所で」
「ほほう‥」
「20秒か30秒目が合ってました。その後、一瞬目をそらしてすぐ同じところに視線を戻したんですけど、居なくなってました。無風で音もなく。
 消滅したという表現が一番近い気がします

 数秒間、細めた目で僕を見つめて、再び先輩は口を開く‥

 つづく