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いつか大人になる私たちへ。

大人って何だろう。


何度も何度も自分に問い続けてきたことだった。

去年から、特に今年は大人と関わる機会が多くなった。中学を卒業して、学ぶ環境も変わって、企画メシにも飛び込んで、バイトも始めて。

だからこそずっとわからなかった。辞書で大人と調べてみたり、お酒の話を聞いてみたり。大人と触れ合うからこそ、大人が何かわからなくなった。


言葉の企画 2021 ~夏の京丹後篇~


京丹後市未来チャレンジ交流センター、roots。

稲本朱珠さんがまたも声をかけてくださり、3か月ぶりにイベントに参加。

そして開催してくださったのが企画メシでもお世話になっている阿部広太郎さん

なんて贅沢な時間!このまま時間でも止まってしまえばいいのに、と本気で思った。

それに、高校生に向けたイベント。同世代と阿部さんの講義を受けたことなんてなかったから、始まる前からなんだか友達ができたようで、同士ができたようで嬉しかった。(全く話すことはできなかったけどいつか!)


愛とは何ですか。


ワークショップがあった。超言葉術の中でも出てくる、I LOVE YOUの訳し方だ。

一人一人発表していく。ちょっと恥ずかしそうにしながら、自分の愛を伝えていく。

私はチャットにこう書いた。

I LOVE YOU→明日誕生日だよね

初めて超言葉術を読んだ時より成長できている気がした。我ながら、ちょっと自信があった。

どうだろう?

阿部さんからの返信だった。

気づくと傷つくは似ている、と講義で阿部さんは言っていたけど、本当にそんな気分になった。

イベントが終わって、一日たった今でも心臓に小さな細い針が刺さっているような気がしている。

私、間違っていただろうか。

いや、そうじゃない。間違っているとかじゃなくて、本当に自分はそう思っていたのか、ってことじゃないか。

どうだろう?

画面越しの高校生は真っ直ぐな愛を一生懸命に伝えている。

本当に真っ直ぐ。私は曲がっているんじゃないか。

この5分間、自分と真っ直ぐ向き合っていたか?


最近、書けなかった。

中途半端に書いて溜まっていく下書き。

夏休みの宿題は終わってない。

友達からのラインも既読はしたけど返してない。

YouTube見て、ギター弾いて、寝て、バイト行って、寝る。

自分と向き合えなくなっていたのだと思う。

きっと、阿部さんは気づいてる。

一日、自分の言葉と向き合った。

真っ直ぐに、自分と向き合った。

きっとそのI LOVE YOUは、自分が言ってほしかったことかもしれない。


今年の誕生日。

緊急事態宣言が出て、実家に帰ってきていた。

スマホを手に入れてから、初めての誕生日。

進学して知り合った友達からはお世辞として祝われるのが嫌で、lineの誕生日は非表示にしていた。

ほとんど祝ってくれる人はいなかった。

数人かから連絡。きっと誕生日の同じ兄のlineでも見たのだろう。おめでとう→ありがとう→スタンプ、のまま今日の今日まで会話はない。

いらないとは言ったけれど、親から誕生日プレゼントもなかった。何なら前日に喧嘩して微妙な空気だった。

こんなもんかと思った。

こんなもんかと、思うことにした。

誰かから覚えててほしかった。

忘れられたくなかった。

淡い恋とか、家族愛とか、そんな大きなものなんていいから、ちっぽけな愛がほしかった。きっと。そんなちっぽけな愛だけでよかった。

I LOVE YOU

→お誕生日おめでと

そんな風に書けばよかったかもしれない。自分が1番言ってほしかった言葉をそのまま真っ直ぐ書けばよかったかもしれない。

どうだろう?

そのまんま、真っ直ぐ書きたかったかもしれない。


阿部さんにとって”大人”とは何ですか?


経験という名の辞書を引く人です。

阿部さんは大人だ。あたりまえかもしれないけれど、大人だ。

今回の講義、今まで以上に阿部さんの経験談だった。人生談だった。

私より19回多く誕生日を過ごした阿部さん。

ドキッとした経験。はっとした経験。高校生、子供だなんて関係なく話してくださっている。schooや企画メシの講義以上に話していたと思う。

丁寧に、一人と、あなたと向き合って。


大人になりたい。

大人になりたくない。

2つの想いがぶつかりあっていたけど、いろんな感情がまとわりついてこじれていたけど。

そうじゃないな。

大人はスタートラインでもゴールラインでもない。

グラデーションなんだな、きっと。

”大人”になってもずっと”大人”になっていくんだろうな。

たくさん泣いて、

たくさん笑って、

苦しんで、もがいて、

どこまでも夢を描き続けられる。

大人だからもう笑わないとか

大人だからもう泣かないとか

そんなことなくて。

ずっと変わらないんだろうな。

その中で、変わり続けられるんだろうな。

変わってしまうものもあるかもしれないけど、

なくなってしまうわけじゃないから。


だから私たちも、少しずつ大人になっていこう。

怖がる必要も、待ち構える必要もどこにもない。

急がなくていい。焦らなくていい。

真っ直ぐ前を見よう。

たまに横を見てみよう。

きっとそこには出逢えた仲間がいる。

憧れの輝く人もいる。

たまに鏡を見てみよう。

自分とにらめっこしよう。

にらめっこで笑えたら、私たちはきっと。


大人だ。


朱珠さん、阿部さん、京丹後の高校生のみなさん。

同じ時間を過ごさせてくれて、ありがとうございました。


追記

どうだろう?

の誤解が生じていたことが発覚。


顔も声もわからない状態での会話。会って話しているはずなのに、在っていない感覚での“言葉”

顔を出して私のにこにこ笑顔を届けておけばよかったなぁと思いつつ、内心すごくほっとした。

受け取り方は違ってしまったけど、それではっとしたからこそこのnoteが書けて。書いたからこそまた気づけて。阿部さんや朱珠さんとお話することができて。


書いて良かった。


DMで阿部さんからI LOVE YOUにアンサーをいただいて、

朱珠さんからも嬉しい言葉をいただいて。

こんな時代だからこそ、言葉を贈るべきかもしれない。

会話できないからこそ、話さなきゃいけない。届けなきゃいけない。

また、一歩踏み出せた気がした。

                               KaiTO



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