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新建築というフォーマットに対する5つの提言 - Creation Standards. vol. 16

 青山の新建築書店にて行われた「「Past/Post -建築メディアを考える-」レクチャーシリーズ 第1回 中山英之 × 田中義久 × 中島佑介」に参加して当事者として提言した内容をまとめる。

 ヨコヤマはデジタルツールを平面表現や手書き、模型と同じ次元のツールとして捉えている。またインターネットにもオーセンテイシティはある、それは概念である。その観点で再帰的で、問いかけに対してクリティカルな提案をする。

 「新建築」というフォーマット。平面としてのプレゼンテーション。これからメディアとしてどのように変わっていくのか?
 もっとラディカルになるために幅広い領域が参加可能なフォーマットに変わる。インフラとして時代にあわせて変化していく。本の枠組み自体を新たな媒体へ昇華させる。


1. フォーラムとしての提案

 新建築データとして新建築が解体され再構築されている。検索性が高まった一方で雑誌としてのまとまりを失った。
 ネットに対応したタグ付け、検索性、分類。ユーザーがそこに参入し、建築の体系化がされていく(現在の新建築データのオープンフォーラム化)。Archdailyや音楽のサブスクサービス参照。ユーザー同士も繋がる。
 (たとえば)新建築オンラインがゲンロンの場に。トピックごとにフリーで参加できるフォーラムを作る。noteやX、niftyのようなイメージ。

2. プレゼンテーションフォーマットとしての提案

 3Dや概念としてのBIMデータとして共有されるようになる。新建築が1次元上になる。視聴者側のリテラシーもより高くなる。これは建築クリエイターが同人誌的に作るモノ。
 →本より次元の高いモノ。これが主流になる。

3. 扱うコンテンツとしての提案

 建築物の紹介ではなく、「映画作品」としての建築の紹介へ。「建築指向性」の中では4次元上。その後中庸からステップアップしていく可能性はある。

4. アプリとしての提案

 各々のニーズに合った使い方ができるようになる。平面的ではなく多面的に一つの事例を見ることができるようなフォーマットをつくる。
 それと同様に複数の次元から建築事例を見ることができるようにする。

5. sub 逆に本としての特性は残す

 物理的に一冊の本にするということは、その時代性を表す歴史そのもの。あくまでその特性だけを強調するコンテンツとして雑誌の刊行を続ける。これがオーセンテイシティ。

総括

 以上のように新建築のフォーマットを今よりも上の次元に上げつつ、紙媒体としての特性は残すというのが提案の全容である。これには建築に携わる者も上の次元の思考をすることも必要かもしれない。

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