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βMentalityの学校づくり@神山まるごと高専

神山まるごと高専2023.4.2 開校

「モノをつくる力でコトを起こす」自分の手でなんでも創造できる「モノをつくる力」と望んだ未来を現実にできる「コトを起こす力」をまるごと学ぶ。

週末日帰りで徳島神山町の神山まるごと高専訪問。

視察スケジュール
【タイムライン】
12:00~13:00 受付&給食試食体験 
13:00~14:00 学校設立までの取り組みに関するプレゼンテーション(Q&Aあり)
14:00~14:45 キャンパス案内
14:45~15:30 教育活動の紹介(Q&Aあり)
15:30~16:30 学生座談会
16:30~17:00 フリータイム

神山まるごと高専は19年ぶりにできた私立の高専。
テクノロジー×アート×アントレプレナーシップを学ぶ高専。


神山は人口5,000人という過疎の町。
なぜそこに、最先端の教育機関が生まれたのか。
なぜ、神山という田舎だったのか。

それは、縁。

理事長でもある、名刺管理アプリを運営するSansanの寺田さんが10年ほど前に神山を訪れ、サテライトオフィス(当時は、サテライトオフィスがほとんど日本にはなかった)をこの地で始めたことが、この学校の物語の始まりとなる。
神山は今では、移住者を逆指名したり、と新しい取組がどんどん行われ、移住者が増えてる。(2016年にはForbesでもINNOVATIVE CITYとして注目されている。)
人と異なることを応援する環境が神山町にあった。

当日の学校訪問に話を戻すと、給食体験では実際に学生が普段食べている給食をいただきました。
今日の献立は、麻婆豆腐。
ここの給食は、日本一の地産地食を目指している。
今回のメニューにも地元野菜やお米がふんだんに使われていた。

給食は 学生のチカラの源ということで、学生にも大人気だ。

今日の給食(50~80%が地元食材。まさに地産地食)

給食は学生を支える大事なエネルギー資源。どんなに疲れていても
美味しい給食はみんな絶対食べるそうです

給食終わりに少し校舎内を散歩。
食堂の横には、寄贈された本が並ぶ談話室が。
ちなみに学校の図書館は町にも開放して、町の人にも本を貸し出している。
学校は町の一部なのだ。

食堂横の談話室
寄贈された本などが並んでいる

いよいよ学校設立までの話へ
・創業メンバーの思い
・創業までの経緯
・学校を新しく創ることの大変さ (1,500を越える申請書、最低10億を越える設立準備金、10ヶ月間の審査、その審査期間に先生の雇用、学校施設の着工などなど)
・設立までのストーリー
・なぜ大変な設立をやりきれたのか
・地域との付き合い方
などいろんな話をしていただきました。

学校設立までの話の中で特に印象的だった話

β Mentality
"失敗を恐れる必要は私たちの学校にはありません。
全ては成功までの挑戦の過程だからです。
欠点のない完成形を最初から求めるのではなく
未完成のβ版を次から次へとつくりだし、
あらゆる角度から検証し、想像以上に良くしていく。
その姿勢こそ私たちのめざすVision"

学校の設立は、ビジネスに例えると
"創業と上場を同時に起こすくらいの大変さ"

学校を設立する道中での思い
"古いルールの中で、新しいコトを起こす苦しみ。でも、誰かが突破しないと変えられない"

学校をつくることの大変さと同時に意義深さを感じた。

次は場所 (教室棟へ)を変えて、カリキュラムの話。

大講堂
大講堂
仕事場のような学習スペース"OFFICE"
授業の6-7割が行われる島型の机のある教室

高等専門学校なので、数学や国語、理科、社会、英語などありつつ、リベラルアーツ、アート、アントレプレナーシップ、プログラミングなどの科目も存在する。
アントレプレナーシップは、毎週水曜日に現役起業家と1日釜の飯を一緒に食べる、会話するなどから体験を通してアントレプレナーシップに触れている。
部活もある。部活はもちろん自分たちで設立する。
ちなみに部活第一号は農業。農地、農機具、農業のやり方まで学生が地元の人と話をして作っていく。チャレンジファンドというのがあり、一人10万円まで部活のなかの活動費として使える。

学生たちとの座談会
ここには44人の学生が一期生として入学している。北はイギリス、南は沖縄からと生まれも様々。

今回は2人の学生と話をした。
・この学校を知ったきっかけは?
・今夢中なことは?
・夏のインド研修について
・普段どんな生活をしているのか
・一期生として感じていること
などなど沢山話をしていただいた。

学生から出てきた言葉
・中学校時代から少し自分は周りと違うかもと感じていた
・そもそも普通の日本の学校の生活をあまり受けたことがなかった
・この学校を見つけたきっかけは"親"。(親のアンテナも教育に大きな影響を持っている。)
・学校生活は、楽しい。(もちろん悩みはある。勉強や人間関係)
・いじめとかは起きない。なぜならみんなが自分のやりたいことに貪欲だからそんなコトを考える時間はない。
・主張力がもともと強かったけど、そこに協調性が生まれ、周りを巻き込みながら話をできるようになっていた。
・人前で話すことがあまり得意ではなかったが学校内外の人との対話で人前で話すことに躊躇がなくなった
・来て欲しい起業家を聞くと「大きなコトをしている人もすごいが、できれば地域で活躍している起業家と会いたい」

一期生ということもあるのかもしれないが、この高専を自分たちが創っているんだという意識が会話の端々で感じられた。
具体的には、 この学校でここを変えてほしいと思うことは?という質問に対して、変えてほしいという感覚よりは、変えてみようよという意識が強いと答えていたときに、ここの学生はすでにアントレプレナーシップをもって、学校という枠組みから作ろうとしていると、感じた。
彼・彼女たちは他の同年代の学生と圧倒的にコミュニケーション(対話)量が違っている気がする。それが、アントレプレナーシップ(他者を巻き込む力)を生み出しているのかも。
教室には、グループワーク教室と講義教室が存在する。ほとんどの授業がグループワーク教室で行われている。それもコミュニケーションが増える構造の一つなのかもしれない。

半日の学校訪問ですが、自分の脳のキャパシティを超えてしまう。刺激的な時間でした。

▼座談会で話をした生徒が何名かとメンバーを組んで部活を作り、その部活で製作した映像。(インド研修の記録映像)

▼神山まるごと高専認可までのドキュメンタリー(これは学生が製作した動画ではないです)



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