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「役者は一日にしてならず」平幹二朗編

「自分の言葉で自分を語る事が怖いんです」

いやもう、この言葉だけでズシーーーンと心に響くものがありました。
自分の言葉で自分を語る事が怖い。
あぁわかるなぁ、そういう気持ちあるなぁ、と思いました。

内気な子供だったという平幹二朗さん、
俳優ではなく、映画監督になりたかったそうで。
でも映画監督を目指して入った養成所で活動するうちに舞台経験が増えて。

「どんな役でも一生懸命やらなければならないのはよく分かっているのですが、つまらない役はやっぱりつまらないですよね。」

なんとなく、その言葉は私には優しく響いてきました。
平幹二朗さんも、若い頃にはたくさん叱られている。
一生懸命考えて舞台の稽古をしていると、演出家さんから演技にダメ出しされる。でも、ダメ出しされて、言われたように舞台上で振る舞うと、とても観客から評判が良かった。
そこで学ぶ事があった。教えてもらえた。
…このエピソードも面白かった。

チャンバラ、殺陣が苦手だったとは。
そして、主役を何年も続けていたのが、脇に回るようになるジレンマ。

「これは俳優には越えていかないといけない過程なのですが」

そうだよなぁ…
どんなに芝居が上手くても、いつまでも主役、主人公だけを演じるなんてことはありえないですもんね。
でも、心の中では大きな葛藤がありますよね。

なんとなく話違いますけど、
恋人だったときはあんなに楽しかったのに、結婚したらなぜ愛情は鎮火してしまうのか…。
それにも似ているような気がしてきました。
「盛りを過ぎる」感覚って言うんでしょうか。
でも、いくらつまらなくても、そこでハイおーわりっ!とはならないのが人生ですよね。
まだ主役をやれる自分だとしても、求められているものが脇役なのならば脇役を如何に気持ちよくやるか?!?!

また、東野英治郎さんと俳優座で一緒の舞台をしていた時に掛けてもらった言葉が書かれていて、これにも大感激でした。

「自分の役のテンポと芝居が進むテンポは同じではないんだよ。」

おおー!そうか!
と。
また自分の思った事書きますが、いわゆる
朗読の上手い人
と言われている人の読みを聞いても全然面白くないことがあるんです。上手いけど面白くない。
なんでだろうなあ?と思う事があったんですけど、原因はこれかな?と。
私もそうですけど、どうしても自分のテンポがあって、なかなかそこを変えるのは難しい。でも、その作品としてのテンポはどうなのかというところを念頭において緩急つけてゆくように、やってみたいと思いました。

浅利慶太さんから教えられた

『言葉はあくまでも観客につたわらなくてはならない』

これは重い言葉だと思いました。
『音が切れる』というのだそうです。

千田是也さん、浅利慶太さん、蜷川幸雄さん、それぞれの演出家さんから習った事が語られていて、心揺さぶられました。最後まで、教えて頂くことの非常に多いインタビュー記事でした。

もっと私も工夫できるところがたくさんあると思いました。

Spotifyで、私の番組を探して聴きに来てください。

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