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Carp on the Fly. #18

「鯉」日本人に馴染みの深い魚。緩やかに流れる川や沼、そして用水路でも見かける魚。自分の地元では「鯉の洗い」として馴染み深く、ローカルなスーパーに売っているのでよく食卓に並んでいました。刺身とは区別され、温水につけコリっとした食感で酢味噌で食べると本当に美味しい。なかなか食べることに馴染みはないと思いますが病みつきになる味です。
 さて、そんな食用としても愛されている「鯉」について今回は書こうと思います。
Carp on the Fly.タイトルにあるようにフライフィッシングで鯉に遊んでもらっていた時期がありました。今は渓流釣りでイワナ・ヤマメといったトラウト達にルアーを中心に遊んでもらっていますが、自分のフライフィッシング歴の中では圧倒的にトラウトより「Carp・鯉」を釣った数の方が多いです。あんまりそういった釣り人もいないんじゃないかなぁ。現在はルアーに魅了されフライタックルは手放してしましたが、フライフィッシングの楽しさを教えてくれたのも鯉でした。

日本の鯉には、日本在来グループと大陸グループの2タイプが存在しています。
正直自分は見た目では区別がつきません。明治時代以降放流も盛んになったことから身近にみられる鯉は「大陸グループ」に属する在来の鯉ではない個体が大半なのではないでしょうか。
 鯉は雑食で胃をもたない魚。食道から直接腸につながっており、常に食べていないと生命活動を維持できません。「パクパク」としたあの口の動きは鯉の特徴でもあり、大切な行動なのかもしれません。普段はタニシなどの貝類、藻エビやザリガニなどの甲殻類を始めとした川底を突くような食生。また、トンボやユスリカなど水面を意識したりとなんでも食べる魚です。

基本的に鯉をフライで釣る際はサイトフィッシングです。テリトリーを持っており、回遊しながら餌を探します。パクパクとサンプリング(一度口に入れ食べられるか判断)しながら回遊しているところを狙います。自分は主に水面を意識した個体を釣ることメインとし、ドライフライを使いながらサイトフィッシングならではのエキサイティングな釣りを楽しんでいました。

一年中、ラフな釣りで楽しめる魚。上京し、まだ学生で車も持っておらず、移動手段は自転車か電車でした。近所の川まで自転車で鯉を探しながらクルージング。ちょっと遠出して電車でのんびりと。そんなアーバンスタイルな釣りにもピッタリなCarp Fishingです。

なんだかその頃は、ハマりすぎてウェダー履いて最寄駅から2駅ほど電車に乗り釣りに出掛けてました。かなりの曲者でしたね。それでも、この釣りは引といい、魚をフッキングした時の興奮は癖になります。

現場に着くとサクッと竿を組み、まずはその日の回遊ルートを探します。
野生の鯉はシビア。音や人影にものごく敏感です。ましてやサイトフィッシングなので、フライラインの音など丁寧にアプローチする必要があります。

マンションが立ち並んでいたり路線の高架下など、いかにもタウンな雰囲気でフライロッドを振ることも新鮮です。肌寒い時期から桜が咲く春先、夏場をはじめ1年中楽しめます。上の写真はyetinaを着込み秋口に釣りに出掛けた時の写真です。

平均して釣れるサイズは50cmを超えてきます。パワフルな引きは本当に気持ちいい。
近くをお散歩している人からも注目されちゃいます。
この川で釣れる鯉はこんな感じが多いです。

この二匹を比べると頭の感じがまるで違いますね。上の方がシュッとしてて、下の魚はこんもりしてる感じ。よくわかりませんが上の個体の方が在来グループっぽいのかなぁ。
それにしてもこの色合いですよ。黒・金・白の体色。口周りのオレンジになんとも渋くてかっこいい魚。1枚1枚大きな鱗がなす輝きは日本らしさも感じます。

水門周りの溜まりのは鯉が溜まるようで、釣るのにはイージーなポイント。ユスリカを食っているようで、バブルラインに溜まった餌をサンプリングしています。
観察していると、サンプリングにも時合いがあるようで日の出や風向き、水の動きも関係していそう。ここのポイントは夕方、陽が翳り始めると途端にパクパクする個体が増えます。そんなん中、ある程度距離をとりながらドライフライをそっとキャストするドキドキがたまりません。下の写真はお気に入りの写真。この頃は下駄を履きながら学校に通っちゃうなどかなりの変人ぶりを炸裂していました。snowpeakから発売たれていたこの下駄。鼻緒はデニム生地でオシャレでしょ。Japanese barefootな感じで足が鍛えられていました。もちろん12月にも関わらず下駄を履き水辺に通います。足が霜焼けになりながらも夢中になってしまう「釣り」は不思議なもんです。

身近に遊んでくれる「鯉」。都心部にいながらも引きの強い釣りを簡単に楽しませてくれるこの魚は頼もしいものです。この連休、ふらっと時間があれば近くの水辺を観察してみてはいかがでしょうか?

最後に釣りしてた頃の動画が出てきたのでリンクを貼り付けておきますね。
よかったらどうぞ。
ではでは。


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