最近の記事

子供の頃の視力を取り戻すことはできないけど、色んな色眼鏡をうまく付けたり外したりできるようになりたい。

    • 汝、星のごとく 星を編む

      汝、星のごとく 住む世界が違うっていうのはそうだな〜。想像はできても理解はできない。 この小説を読んで、自分は恵まれていると感じる。これはそのために消費する物語なのかもしれない。 「歪なものに、歪であるがゆえの価値を与えるのは常に他人だ。」 本人は歪さに苦しんでいるのに、それを他人が消費するってことはあるよな。そういうドキュメンタリーありそう。文化祭の初日にふらっと行った現代美術館の「あ、共感とかじゃなくて。」という展覧会で来館者が書いたコメントの中に「過干渉消費型の共感

      • 決戦

         ついに決戦の日が来た。この日までずっと、娯楽も無い狭い部屋にこもっていた。コンディションは最高。出来る限りの準備はしてきた。大好物の甘いものも食べて、力もつけた。あとはただ全力で戦うだけだ。  ただ一つ心配な点は対戦相手だ。俺はまだ対戦相手を知らない。試合開始と同時に知ることとなるだろう。どんな相手が来てもいいように、相手の体格や戦略に合わせた何十、何百パターンもの対応は考えてある。  「恐れることはない」俺はそう自分に言い聞かせる。  俺は対戦相手と同時に、土俵に上がっ

        • コンビ二

           今日もいつもの客がやってきた。いつも同じおにぎりとお茶を買っていく。相手に自分の心を悟られないように意識しながら、マニュアル通りに接客をこなしていく。 「ありがとうございました。またお越しくださいませ」  客の後ろ姿を見送り、心の中でため息をつく。  あの客はいつも私のレジに並んでくる。最初はいつも同じものを買う変わったお客さんとしか思っていなかった。ある日、私が裏で作業をしていると、先輩が声をかけてきた。 「あの人、いつもの人だよね。なんかずっと店内を回ってるんだけど何

        子供の頃の視力を取り戻すことはできないけど、色んな色眼鏡をうまく付けたり外したりできるようになりたい。

          コンビニ

           今日もいつものコンビニで、いつものおにぎりと、いつものお茶を手に取る。レジに行くと、いつもの店員さんが会計をしてくれる。丁寧で感じの良い接客にはいつも感心させられる。その接客が受けたくて、出来るだけその店員さんのレジへ行くようになった。  コンビニには日常が流れていて安心する。仕事で大変な事があっても、嫌なニュースが世間を騒がせていても、ここはいつも通り。変わらない場所があるというのはありがたい。  「ありがとうございました。またお越しくださいませ」  会計が終わってその言

          コンビニ

          イヤホン

           君と2人、人がまばらな電車で隣り合って座っている。お互い部活動が無い木曜日、下校する生徒が多い時間からずらして、ゆったりと電車に揺られる。2人はそれぞれ片方の耳にイヤホンを挿している。  私はこの時間が大好きだ。ゆっくりと時間が流れる車内で、私たちは2人だけの世界にいる。君とイヤホンを通して繋がっている。2人の好きな曲が交互に流れてくる。君の好きな曲が私の中に染み渡って来る。まるで、イヤホンを通じて君の血を分けてもらっているみたいだ。私の好きな曲は君の心に届いているかな。私

          イヤホン

          雪下出麦

          ムギは今日も1人で黙々とトレーニングに励む。 まだ日の目を見ることにはなっていないが、彼女の努力は芽を出しつつある。 彼女は心がとても強い。何度敗れても、プライドを踏みにじられるようなことがあっても、何度も立ち上がる。それどころか、その経験さえも糧にして、より逞しく成長していく。 春になって穂を出すのが楽しみだ。

          雪下出麦

          タクシー

          予約していたタクシーは時間通りに来てくれた。 運転手が荷物をトランクに乗せてくれる。 「最寄りの駅までお願いします」 私は後部座席に乗り込んでそう言った。 「お客さん、旅行ですか」 「ええ、ちょっと遠くまで行こうと」 「いいですねえ。どこまで行かれるんですか」 「まだ決めてません。良さそうなところでふらっと電車を降りるつもりです」 「なるほど。そういった旅もたまにはいいかもしれないですね」 今回の運転手は気さくそうだ。 タクシーの運転手とは気楽に話せる。これからもう2度と

          タクシー

          「ねえ、この卵立ててみて」 彼女は微笑みながら僕に言った。 いきなりなんだよと思いながら、コロンブスの卵だなと思い、卵をテーブルに打ちつけてみる。 グシャ 「あ」 勢い余って卵の下部は細かく割れ、中から卵白が溢れ出る。少し遅れて卵黄も流れて来る。中で殻の欠片が卵黄膜に刺さったのだろうか。それとも打ちつけた衝撃で膜が破れたか。 「もー、なにやってんの」 そう言いながら彼女はセルクルで卵を囲い、大きな殻を取り除く。セルクルにすっぽり収まる円形の鉄板を熱し、小さな殻は残った

          ウナノハテノガタ

          今回も本を読んで。 権力を持ったり、何か特別な立場にいる人は、他の人には見えないものが見えているのかも。それを隠すことで人々が幸せになると信じて、隠しているのかも。そのことを知らない人々はその人が抱える秘密を知らずに暮らす。ときには批判もする。それがその人を苦しめる。なんてことがあったりなかったりするのかな。 何かを変えることは怖い。それが上手くいけばいいが、そうでなければ批判の嵐。その癖変えないことに対しても批判がある。自分たちは何もせず、批判だけする。責任は押し付けて

          ウナノハテノガタ

          スピンモンスター

          『スピンモンスター』を読んで。 争いがあるから何かが変化して、新しいものが生まれる。争いがないと何も進まない。だから、争いは必要。 言ってることは分かるし、合っている気もする。 実際、人類は争いと共に発展してきた。 だからって争いは必要なのか?それでいいのか? 規則だから守る? 規則は後から生まれるもの。「こうすべき」だから規則が作られる。だから、規則を守ることが目的となるのは違う。かといって、みんながみんな自分だけの正義みたいなものを理由に規則を守らないのも違うよな。結

          スピンモンスター

          小さな子どもが、まだ暗くなっていない空に浮かぶ月を見て、「よるになってる」って言ってた。なんかいいなと思った。

          小さな子どもが、まだ暗くなっていない空に浮かぶ月を見て、「よるになってる」って言ってた。なんかいいなと思った。

          最近本を読んでいるときにSNSで投稿することを考えて集中できていないことがあって嫌になる。

          最近本を読んでいるときにSNSで投稿することを考えて集中できていないことがあって嫌になる。

          死にがいを求めて生きているの

          朝井リョウの『死にがいを求めて生きているの』を読んで思ったことを書く。物語のテーマに関わるようなことや、あまり関係ないところに飛んでいった考えまでいろいろ。 「こうすべき」という声は上手く行った人のものしかない。それを参考にしても上手くいく人はいくけど結局それは人によりけり。 批判的な意見を言う人が注目される。 悪のように見える敵を作って、それに立ち向かっていくことがなんか正しいことみたいに捉えられている気がする。それは必要な対立だけで無く、必要のない対立も生み出してしま

          死にがいを求めて生きているの

          キャンプ

          下書きで眠っていたものを放出。  高校の友達と、18日、19日にキャンプ行こう!」とか言いつつ、ほとんど決まらないで予定まで1週間を切った。もはや流れると思っていたけれど、14日の夜に決まった。道具はほとんど貸し出してくれて、寝場所もある、初心者には嬉しいキャンプ場だ。小笠原に学校の授業で行っていて、そのレポートを行く前に終わらせなくてはならない。  キャンプ前日はひたすらレポートをする日……のはずだったが、怠惰が発動。スマホを触りながらで進まない。あと普通にレポート書く

          キャンプ

          小笠原

          0日目 中学の頃の友達が東京ドームのライブに来るらしく、ご飯を食べようという話に。台風が接近しているため、小笠原への船が1日遅れるのではないかと考えて、準備を先延ばしにしていたら、普通に出航すると連絡が来る。 とりあえず新宿に行って久しぶりに友達と会う。しっかり話すのは中学ぶりだった。新宿のイタリアンでご飯を食べながらおしゃべり。あっという間に1時間半くらい経って、お店を出る。少しおしゃべりして別れる。 家に着いたのは12時半くらい。そこからシャワーを浴びて、準備をして