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瀧本哲史の講義録を読んだ感想

パラダイムシフト、言葉の力、経験は盗まれない、瀧本さんの語るいろんなことが矢のように向かってきた。気取らない話し方、嘘のない世界観、率直な発言、それらが全部合わさって謎のカクテルみたいになって、私に入ってきた。
私は今年32歳。

パラダイムシフト
結局世代が変わらないと時代の価値観や考えは変わらないと感じていた。会社のおじさんは、悪気もなく差別的発言をする。悪気がないというのが改善の余地をなくすほど根深い問題で。会社の後輩は、イヤホンしてNetflixを観ながら昼ご飯を食べてから昼寝する。彼女から差別的価値観は感じない。

きっと、世代交代したら差別する人がマイナーになってカッコ悪くなっているのだろうと感じていた。

だから、若者がおじさんおばさんをそれぞれ一人ずつ説得できれば形勢逆転できるとは、目から鱗だった。それはめちゃくちゃ厳しい戦いだけどそういう視点があったんだなと、少し嬉しかった。新しい視点を得ることは嬉しいことなんだと知った。

言葉の力
ロジックとレトリック。私は言葉の力を信じていて、自分の言葉でほんとうの思いを語れば人は動くと思っている。現に仕事でそうやって、お客さんを動かしてきた。賢いタイプではないので、何手も先を読むような戦略は描けないのだけど目の前の人がどうすれば動くのか、そこに集中することで、動かなそうな山が動いたことは何度もあった。だから、言葉をないがしろにする同僚とはよくぶつかってしまう。彼は数字やロジックには長けているけれど、おそらく教養が欠けていて広い視点でものをみることが今はできないのだと思う。
私に今、人生を賭けて伝えたいことがあれば、言葉の力を使い倒して伝えたい。伝えたいことが欲しい。

経験は盗まれない
目が悪いおばあちゃんをもつ若者がオーディオブックを作った話。アイディアだけだったら盗まれるけどそれを語る人の人生を盗むことはできない。その通りだ。その通りだぜ先生。
私にもおじいちゃんがいた。なんでも話せるおじいちゃんがいた。わがままも全部おじいちゃんにぶつけて、おじいちゃんは全部前のめりで受け取った。でも小学生の時におじいちゃんは突然死んだ。話し相手をなくした。私は笑うこともなくなり、家族と談笑することもなく、おばあちゃんの隣に寝て、日記を書いた。自問自答をし続けて大学進学で東京に出た。世界は広がった。けれどおじいちゃんの代わりはどこにもいなかった。そんな時、大学の授業でサリンジャーのキャッチャー・イン・ザ・ライに出会った。人には、キャッチャーが必要なんだと思った。私のキャッチャーはおじいちゃんだったとわかった。私も誰かのキャッチャーになりたいと思った。

このあと、劇的な展開があるわけではない。
普通に就活して就職して社会人10年目の今だ。
誰かのキャッチャーになれたかといえば、オットのキャッチャーにはなれているんだと思う。

#瀧本宿題 #エッセイ #瀧本哲史

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