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Instagramに疲れてる飲食店さんに知って欲しいこと

今回のnoteを書くことになったのは、ある飲食店のXの投稿を目にしたのがきっかけです。


「飲食では、やはり(インスタが)必須ですよね」と、このように思っていらっしゃったのです。

また、別の日。Zoomの相談会に参加された、別の飲食事業の方たちにご質問をさせていただいたときのことです。

「Instagramを使われていますが、発信をすることでどうなりたいと思われていますか?」すると、相談会に参加された全員がこのように回答されました。

「Instagramをなるべくたくさんの人に見てもらって、フォロワーが増えて、お店に来てくれる人が増えたらいいなと思って…」

たくさんの人に見てもらって、フォロワーが増えて、お店に来てくれる人が増えたらいいな。

Instagramを利用している飲食店の大半が ”集客” を目的に発信をされていました。


集客。つまり、お客様に対して「(Instagramから)どのように伝えるか」といった発信方法を(振り返り、都度)改善することが、重要になります。ただ(Instagramから発信して)伝えるだけでなく商品やサービス自体の価値を高めなければならないわけです。

しかし現実は、「毎日Instagramから発信するのに疲れた…」「毎回毎回、発信のネタに困っている」「何を発信したらいいか分からない」このような悩みを抱え、Instagramそのものから遠ざかってしまうケースも少なくありません。

そこで、今回のnoteでは、飲食店が思い込んでいるInstagramの常識を壊して、目的に合った使い方ができる考え方を記したいと思います。


Instagramを頑張っても、集客できない

まず結論から申し上げます。
Instagramの発信を頑張っても、集客できません。

↑ わたしのnoteのプロフですが…おや?

とはいえ、過去にInstagramから自店舗への集客をしてきたわたしが言うと、ここに矛盾が生じますよね。

すみません。もう少し補足をさせてください。

『今のあなたのInstagramの発信では』発信をいくら頑張っても、集客できないのです。

Instagramが集客に向かない理由

Instagramの拡散力は低い


SNSの拡散力と発信にかかる労力を表してみました

かんたんではありますが、SNSの拡散力と発信にかかる労力を比較し、図にしてみました。

集客を目的にSNSを利用するのであれば、着目したいのはそのSNSの ”拡散力” 。発信を見たユーザーが自動的にどんどん投稿を拡散して広げてくれたら有難いですよね。

ところが、この図の通り、Instagramは「拡散力に乏しく」「発信への労力コストも高い」SNSなのです。

つまり、発信するの面倒臭くて大変だけれど、その割に世間には広がっていきにくいSNSなんです。


Instagramで発信を拡散(シェア)する手順

上の図はInstagramの発信を拡散(シェア)する手順になります。
Instagramの発信を拡散するには、個人のアカウントにDMで共有するという形になるわけです。…1人1人にDMで知らせていては、拡散しているといえども効率の悪さを感じますよね。

他の拡散の方法としては ”ストーリーズに追加” してお客様に拡散してもらう方法もあります。しかし、ストーリーズは「誰がストーリーズを閲覧したのか」が分かる仕様になっているため、基本的にはそのアカウントと近い距離感の人がチェックする傾向にあります。

タイムラインに上がってくる情報は、相手に ”読まれたことを知られずに” 情報に触れることができる。ところが、ストーリーズはアイコンが表示されて閲覧したことが履歴に残ってしまう。

「あまり絡みが無いアカウントのストーリーズは見に行きづらい」。お客様が感じている気まずさや気恥ずかしさ、SNS上の距離感。

誰が閲覧したか分かる仕様のストーリーズは ”閲覧ハードルが高くなる=新規のお客様への拡がりにくさ” があると考えられます。

映える写真画像、再生回数を回せるリール動画を用意するにも技術が必要

「インスタ映え」という言葉が2017年の流行語大賞に選ばれましたが、Instagramの特徴の1つは ”見た目で興味を引き出す見栄えのいい写真画像” にあります。スマートフォンのカメラ機能の向上、写真加工アプリの登場により、スマートフォンで撮影しても ”そこそこ、いい感じに写真を撮れる” ようになりました。Instagramのタイムラインにはカメラマンが撮影したかと見まがうほどの美しい写真がいくつも並ぶようになりましたよね。

確かに、美しい写真画像は見る者の心を掴みます。
Instagram特有のキラキラした世界観に憧れたひとも多いことでしょう。

Instagramに動画を載せられるリールが登場してからは、美しい写真画像に加えて短い動画で投稿をする人が増えました。Instagramを使っている多くの飲食店が写真画像や動画に力を入れ、編集で文字を入れたり、エフェクト効果やBGMに工夫を凝らすなど、興味を引く仕掛けに試行錯誤しています。


このように、再生回数が多いリール動画は、動画を並べたときの世界観を統一していたり、文字フォントを揃えたり、撮影時のアングルなど、細かな工夫が数多く見られます。こだわりの数だけ撮影にかかる工数が増え、動画の編集にも時間がかかっています。

…人手が足りなくて忙しい中、見栄えのいい写真画像の撮影や動画の編集にどれくらい時間を割けますか?どれくらい、発信の準備に労力をかけられますか?

現実的に考えて、お店の業務の片手間で ”Instagramに力を入れる” というのは、かなりハードルが高い作業なのではないでしょうか。

なるべく労力をかけずに、Instagramからお客様に情報を伝える

投稿の頻度を見直す

毎日お店の情報を発信する、ということがSNSの基本のように言われています。しかし、写真撮影や動画撮影、編集といった作業が余儀なくされるため、毎日お店の情報を発信することが難しい飲食店もあります。

発信前の作業が大変だと、このように「あまりさわってない」状況にもなりますよね…。

毎日発信をすることがストレスになっている飲食店は、発信の頻度を週2~3回に調整してみるのはいかがでしょう。発信に対するストレスや、発信にかかっていた負担は軽くなります。また、写真の撮影や動画撮影、編集などにあてていた時間が浮くため、お店のことやお客様のことをより深く考える時間を作ることができるようになります。

投稿の内容を見直す

Instagramから発信をするとき、発信を受けとるお客様のことを意識して発信をされていますでしょうか。

実は、多くの飲食店の投稿をチェックしたところ、投稿が『お店の宣伝広告』になってしまっているアカウントが非常に多く見受けられました。

「○月○日解禁!新メニューです!!食べに来てください」「○○にあるお店です!ディナーにイタリアンはいかがですか?」「女性に人気のランチです!お待ちしています」写真や動画と一緒に、テキストには宣伝文句が並んでいます。

中には、地域にポスティングをするようなチラシの写真を撮って、そのままInstagramに投稿しているものも…。

ひとは、”売り込まれる行為” が嫌いです。”宣伝されることが苦手” です。それなのに、このような投稿が365日Instagramのタイムラインを埋めていたら、お客様はどう感じるでしょうか。

…ほとんどのお客様は宣伝広告を嫌がります。あなたも、YouTubeを見るときに広告動画をスキップして飛ばしていませんか?それと同じで、毎日繰り返し宣伝ばかりの投稿を発信しても、お客様はじっくり投稿の内容を見ることなく、スマホの画面を一瞬でスワイプしてしまいます。

「たくさんの人に見られたい!」「動画の再生回数を伸ばしたい!」お気持ち、とてもよく分かります。

でも、「たくさんの人に見られたい」「動画の再生回数を伸ばしたい」と思っているのは、”あなた” の気持ちであって、お客様の思いではありませんよね。

Instagramの投稿も、お客様が求めているお店の情報を発信するからこそ、見てもらえます。

もし、あなたの投稿の内容が宣伝広告になってしまっているのでしたら投稿内容を見直して、お店に来てくださるお客様が求めていることを投稿してみてください。

きっと、これまでとは反応が違ってきますよ。

こちらはInstagramの活用がとても上手な飲食店。以前、こちらの飲食店のInstagramの使い方について記事を書いているので、良かったら見てもらえると嬉しいです。

まとめ

飲食店の多くが、集客を目的にInstagramを使っています。しかし、Instagram特性上、拡散力に期待ができなかったり、投稿をするための準備(写真画像の撮影や、動画撮影、編集など)に時間や手間がかかり、毎日の投稿に疲れてしまう飲食店も少なくありません。

忙しいお店の業務の合間に、いかに労力や時間をかけず、お客様に求められているお店の情報を発信していくか。そのための工夫が必要不可欠とも言えます。

飲食業だからと言って、Instagramから発信をしなければいけないという決まりもありません。取り扱っている飲食のジャンルや、発信をするひととSNSとの相性もあります。Instagramの投稿が難しいと感じた場合はX(旧:twitter)など他のSNSに力を入れても良いのです。

お店に来店されるお客様の属性、取り扱っている飲食のジャンル、発信者の個性、SNSの特性など、広い視野で考え、あなたのお店にとって最適なSNSを選べることを願っています。

X(旧:twitter)からSNSについての考え方などを発信しています。

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