見出し画像

「頑張りすぎて、変化できない人へ。小休止のすすめ」

「小休止のすすめ」タレントの「ヒロミ」とサイバーエージェント代表取締役の「藤田晋」の共著です。

タレント「ヒロミ」といえば、2020年現在では、テレビでみない日はない。僕が小さいころにも、たくさんの番組でMCとして登場していた。「発掘!あるある大事典」でMCとして出演しているのを覚えているが、本書にもある通り約10年間はテレビでみない期間があった。

本書では、「ヒロミ」は、テレビでみなかった10年間を「小休止」として、人生のなかでの休み方を紹介しており、「藤田晋」は、サイバーエージェントの代表であり続けているなかで、合間を縫って「小休止」について紹介しています。

いま、新型コロナの影響で、いま踏ん張るべき人もいれば、「小休止」をとり、再度ブレークするための準備期間とするべき人もいると思います。

家で考える時間が増えたタイミングで、立ち止まって読んで見るのにおすすめです。


小休止までの流れ

「ヒロミ」は、芸能界に「B21スペシャル」としてデビューし、所属した事務所「人力舎」を27歳で独立し、30歳では、月の売上が最大6000万円になっていました。デビューしてから20年レギュラー番組がとぎれることもなく、仕事は200%でコミットして成果を出していました。

この成功には、18歳のときに、破裂した脾臓が摘出され、お腹に30cm の傷跡が残るほどの事故にあっており、死を意識した結果、どんなときも200%で向き合い、生き急いでいたという言葉から、がむしゃらに努力し続けてきたことがわかります。

しかし、それだけ全力で取り組んでいても、潮目が変わる瞬間がきます。30代の終わりに風向きが変わっていくのを肌で感じていたとあります。不況にあわせて業界のなかで、今までのキャラクターでは、受け入れられにくい状況になっていった。そして、その予兆を感じ、「何かが起きる」と身構えて、対策を考え、結果として、芸能界にしがみつかずに、離れることになったとあります。

画像2

200%コミットしていても躓いた原因

「変化」というテーマで書かれている、ヒロミさんの次の一文が心に刺さります。

40歳で自分が躓いた原因は「変化できず」「修正できなかった」ことにある。それは引き出しがなさすぎたということだ。時代が変化して、自分自身も変わるように求められたのなら、変われるかどうか、どう変わるべきかを検討するべきだ。でももし、変わるのが難しいと感じたら、小休止を取ればいい。別の世界に身を置くと、小さなことにこだわっている自分が客観的に見えてくる。
引用:ヒロミ,藤田 晋. 小休止のすすめ 運を呼び込む「人生の休み方」の極意 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.281-285). Kindle 版.

「紳竜の研究」で、島田紳助がよしもと芸人の若手に講義をするシーンがありました。そこでも「明石家さんま」について語っています。「あいつは、ずっと同じではない。時代にあわせて少しずつ変化をしている。」という話しだったと思います。(たしか、、)

またこちらは、「プライド」というテーマで書かれている、藤田さんの一文です。

私はプライドには「良いプライド」と「悪いプライド」の2種類があると思っています。仕事内容や仲間に対して持つプライドは、本人にとって良い働きをします。でも逆に自分に対して持つプライドは、うまくいっているときはプラスでも、下り坂に入ると悪い働きをし始めるのです。
引用:ヒロミ,藤田 晋. 小休止のすすめ 運を呼び込む「人生の休み方」の極意 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.597-600). Kindle 版.

この後に、「下町ロケット(著)池井戸潤」 にでくてる佃製作所の「佃品質、佃プライド」の話しがでてきます。重要なのは、プライドの前に品質がでていることです。悪いプライドというのは、「自分」になっています。佃製作所の場合は、「品質」がプライドになっており、良い製品を作ることに本気になれるのか、「自分」が良い製品を作っている存在であることが重要なのかは大きな違いになります。

そして、ヒロミさんは、変化はできなかった。しかし、変化できないこと、挫折したことを受け入れ、次の波がくるタイミングをまち、小休止の間に、変化をしています。

遊びから生まれる、予定調和にない気づき

画像1

ヒロミさんと、藤田さんは、「釣り」がきっかけだった。20代ベンチャー起業家たちに、ヒロミさんが遊びに誘うという形。このときの出会いで、起業家たちからビジネスを学び、自らがビジネスを起こす側となっていきます。

この「遊び」というのが、自分の考えに幅をもつのには効果的だなと感じた。仕事は、自分のいるビジネスのなかでの成果という指標で判断してしまいます。(仕事ができるやつ、できないやつ)

だけど、遊びには、成果というものが曖昧で、たくさん釣れることも評価ポイントだし、みんなを楽しませることや、美味しいつまみを容易できることが評価ポイントになるかもしれません。

これは、仕事には、何もつながらないかもしれないけれど、そういう「場」にいることで、偶然何かにつながることで、変化するきっかけになると感じました。

ところが、遊びの場では状況ががらっと変わる。釣りに行って、ルアーを付ける、キャストができる、かかった魚を針からさっと外す。キャンプに行って、手際よく薪を組み合わせ、焚き火を燃やす。みんなが談笑しているうちに、うまいツマミも作ってしまう。普段とは違う時間の流れ、日常の中の非日常の空間で、他の人ができないことをさらっとやってみせると、それだけで「おお!」と声が上がって尊敬される。
引用:ヒロミ,藤田 晋. 小休止のすすめ 運を呼び込む「人生の休み方」の極意 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.398-402). Kindle 版.
でも、このときは違った。次にどんなビジネスが来るか。どんなビジネスモデルなら継続性があるのか。彼らが僕を芸能人ではなく、遊びを教えてくれる一個人として扱ってくれたから、話をしているだけでも勉強になった。そこに芸能界からの小休止というタイミングも重なって、僕は彼らから学んでビジネスを始めることになった。規模は比べられないほど小さかったが、人を雇い、店舗を増やし、芸能界の仕事は休みながら、ビジネスの世界で動き出すことができた。
引用:ヒロミ,藤田 晋. 小休止のすすめ 運を呼び込む「人生の休み方」の極意 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.424-429). Kindle 版.

まとめ

本書では、ふたりとも「休むこと」を推奨しているだけではなくて、人生のなかでは、がむしゃらに頑張る期間が必要ということを書いてあります。ただ常に200%コミットするような状態になると、視野がせまくなったり、大きな成長をするための助走をとれなくなることがあります。

バランスが大事だということだとは思うのですが、いま、どうしてもうまくいかない。自分はどう変化したらよいかわからない。そんなときは、「小休止」をとって自分の幅を広げることのできる遊びをしてみたいと思います。

---
Twitter でも、プロジェクトマネジメント x リモートワークのノウハウと本について、つぶやいていますので、よろしければ繋がってください。

https://twitter.com/kajyou

支援は、コミュニティ研究の取材、サービス開発などに費用にあてさせて頂きます。