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無職の障害者の学校(3)

私が配属されたのはOAビジネス系のコースで、ここでは主にWord、Excel、PowerPointなどのOfficeソフトの訓練と、日商簿記3級の勉強、他には名刺作成などの訓練が行われました。

朝9時から15時(曜日によっては16時)の訓練となります。

最初の1カ月は導入期間として、伝票集計や計算実務など、凡そ営業事務を意識した訓練、ビジネスマナー等の基本的な訓練が行われました。また、並行してカウンセリングの実施などもありました。

在籍している訓練生は約50人。20~30代が大半を占め、40~50代は少数でした。障害の内容も、高次脳機能障害・下肢切断・視覚・聴覚障害などの身体障害、うつ病・発達障害などの精神疾患病など、あらゆる障害を抱えるひとたちが同じ訓練を受けていました。

若い人たちの多くは、仕事経験の無い人が多く、Officeソフトをうまく使いこなせない人たちが多く、また年配の方もエクセルなどで苦労している人が多かったです。

訓練内容は、テキストを渡され、それを読んで問題に答え、それを指導員に採点してもらい、アドバイスを受けるという形式で、個々の修得進捗に合わせた指導が行われていました。

私は四半世紀以上ワード・エクセル・パワーポイントを使いこなしてきたのですが、我流でやっていたことが多く、この訓練においては、「基本」をしっかり理解することが求められ、何とも、「お作法」を学んでいるかのような気持ちになりました。

指導員の中には、なまじできる私の事を「できる分、逆にし変な「クセ」がついていて扱いにくい」などと陰口も叩かれましたが、基礎基本をいちから学べる良い機会だとポジティブに考えて訓練に取り組みました。

並行して、キーボード打刻の練習で、1分間に何文字を正確に打ち込めるかなどの訓練もありました。

訓練の基本は「独学」です。わからなければ指導員に聞く。わかっていればどんどん先に進んで上級の訓練に移る。修得進捗が遅い人には手取り足取りで教えてくれますが、ある程度スキルのある人はそのまま自分だけで完結していきました。

また、心理カウンセリングも訓練教科に含まれ、2時間、リラックスできる方法や、人間関係を円滑にするためのグループディスカッションなどの時間もあり、そして就職活動支援として履歴書や職務経歴書の書き方の指導もありました。

訓練生には職歴の無い人も多く、履歴書も書く項目が限られ、ましてや職務経歴書など経歴が無いので書けないので、それを工夫するテクニックを教えてもらっていました。

これらオフィス系の訓練における目標は、日商PC検定やマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)の資格取得でした。

私は、クセを直し基本に忠実にテキストをこなし、短期間で上級のテキストに移り、エクセルでは様々な関数を覚えていきました。関数はけっこう知っていたのですが、あまり使わない関数も「お作法」なので一応学び、まず最初の目標である「日商PC検定3級 ワード エクセル」に合格しました。

資格を取得すると、いよいよ就職活動になります。

次回(4)では就職活動についてお話いたします。


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