お気に入りミステリ小説おすすめ4選(あらすじとネタバレ)

皆さんこんにちは。
暇すぎるためにミステリ小説を読み漁っている者です。

前回名作ミステリ小説3選を紹介しましたが、今回は、私の完全個人的お気に入りミステリ小説4選をお届けしたいと思います。
映画化されている作品や、シリーズ物の作品、ぜひ読んで欲しい作品など、あらすじとネタバレも含めてご紹介します。

屍人荘の殺人
今村昌弘
・あらすじ
ある大学のミステリ愛好会(所属しているのは2人)に所属している葉村譲は、脅迫状が届いた映画研究会の夏合宿に同大学の剣崎比留子と愛好会の先輩である明智恭介と共に参加する、しかしとんでもない自体が発生、誰も予想しない形のクローズドサークルが完成する。
そのペンションで密室殺人が起き、連続殺人が幕を開ける。

・衝撃ポイント
私はこの作品は映画の告知で知りました。神木隆之介、浜辺美波、中村倫也が出演し、Perfumeが「再生」というエンディングを歌う。予告では全く「あれ」の存在が写っていませんでした。
「再生」というタイトルで気づくべきでした。
結果的に私は先に原作から読みました。「あれ」そうです。ゾンビが出てくるのです。屍人荘、再生、ありえないクローズドサークル、私は気づけませんでした。
ゾンビによって作られたクローズドサークル、想像出来ません。

また、犯人の行動にも驚きです。ペンションのオーナーの息子で映画研究会のOBの七宮兼光、その友人の出目飛雄、立浪波琉也の3人に恨みがあるのですが、ゾンビによるクローズドサークルという危険な状況を逆手にとって復習を完結させることはやはり驚きです。

・補足
プチ情報として、映画では犯人役を山田杏奈さんが演じていました。映画版は設定が少し変わっていますが、山田杏奈さんは個人的に好きな俳優です。

迷路館の殺人
綾辻行人
・あらすじ
中村青司が設計した迷路館。そこは館内に迷路が存在する不思議な館だった。その主人で推理小説家の宮垣葉太郎が、招いた4人の作家に多額の賞金をかけて推理小説の競作をさせる。
しかし、宮垣は死去し殺人事件が起こる。
いくつものどんでん返しが用意された館シリーズの3作目。

・衝撃ポイント
まず、館シリーズは衝撃ポイント、どんでん返しだらけです。十角館の殺人では島と本土の対応。水車館の殺人では過去と現在の対応。
本作迷路館の殺人では、推理小説家の鹿谷門実の小説を読む島田との対応。というようにどんでん返しに向けた準備が整えられています。
4人の作家が出てくるのですが、誰が鹿谷なのか考えながら読み進めていましたが、後半、4人は皆殺害されます。
さらに、実は宮垣葉太郎は生存していたという事実も分かります。
島田潔は真相に迫って行きますが、中村青司の館ではおなじみの隠し部屋を見つけます。
そこで、宮垣が犯人という証拠をつかみ島田の読んでいた鹿谷の「迷路館の殺人」は幕を閉じます。

もちろん、ここで終わりません。
鹿谷の作品を読んでいたのは、島田潔の兄であることが判明。そして、鹿谷は島田潔と分かります。
さらに、この本では触れられていない真犯人を導き出します。
ここでは、叙述トリックが取り入れられており、言われて見れば確かにそうだ。と誰もが納得する真犯人を導き出してようやく完結します。
作中作、さらに叙述トリック、真犯人。頭が壊れること間違いなし、最後まで読み応え十分です。

どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
・あらすじ
妹を殺害された和泉康正は警察が到着する前に独自の現場検証を行う。その結果、自殺に偽装されていると知る。容疑者は2人、妹の元恋人か妹の親友。復讐のために奔走する兄の前に、加賀恭一郎が現れる。
究極のフーダニット。

・衝撃ポイント
噂はかねがね伺っておりました。
この小説には、いわゆる解決編がありません。ラストシーンではどちらが犯人が読者には伏せられたまま事件が幕を閉じます。
文庫本には推理の手引きがつけられていますが、白状しますと私は犯人を当てられませんでした。
2択をミスしたのです。
慎重に読み進め、ラストにある犯人像が3転、4転するシーンもついて行くことが出来ました。
しかし、私が選んだ方では無い方が犯人だと知りました。
この本は、エラリー・クイーン作品にあるような「読者への挑戦状」の形式をとっています。
犯人特定のための全ての証拠が出揃って、完結しています。完全にフェアと言えます。そんなこの本の構成は衝撃でした。

もうひとつ加えるとすれば、一応警察ですが交通課(たぶん)に所属している兄が、独自の捜査と証拠の隠滅などを行い、自分で事件を解決しようとしたことです。兄の妹への愛は衝撃的な行動をとらせました。

・補足
この作品は加賀恭一郎が登場するシリーズ物なので、ぜひ一作目の「卒業」から読んで頂きたい。加賀恭一郎という人物により惹かれます。

カササギ殺人事件(上・下)
アンソニー・ホロヴィッツ
・あらすじ
上…1955年准男爵のサー・マグナス・パイの屋敷の家政婦が事故死と思われる死を遂げる、しかし彼女の死をきっかけに小さな村の人間関係は壊れてゆく、そこに現れた余命僅かな名探偵アティカス・ピュントは謎を解き明かしてゆく。

下…アティカス・ピュントシリーズの最新作である「カササギ殺人事件」を読んでいた編集者のスーザン・ライランドは怒りを隠せなかった。結末部分がないのである。そんな彼女を待ち受けていたのは、作者アラン・コンウェイの死だった。消えた結末部分、事件と対応する人物、アランの死、残された謎を解き明かす旅が始まる。

・衝撃ポイント
私が読んだ作中作のミステリは恐らくこれが初めてでした。本の中に本(原稿)を読んでいる人物がいる。そして、完結部分がない。
上巻を読んだだけでは、スッキリしない、すぐに下巻に取りかかった記憶がある。
下巻では、登場人物も一新し、全く違うけど、カササギ殺人事件と小さな繋がりがある世界が描かれますます謎が深まる。
ラストシーンは圧巻。名探偵アティカス・ピュントに隠された公表出来ない謎、結末部分を隠していた犯人、命を狙われるスーザン、カササギ殺人事件の犯人、全てが同時に明かされ、これまで読んできた全てがまるで自分が体験したことのように思えてしまうくらい、引き込まれました。

・補足
続編に当たるヨルガオ殺人事件も作中作であり、カササギ殺人事件にはない新たな試みがあるのでぜひ読んでもらいたいです。

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