ちゃおっ子!☆

 風呂上がりにドライヤーを使っていてふと気付いた。私は小学生の頃に「極上!めちゃモテ委員長」で読んだ”ただしい髪の乾かし方”を、それ以来十年以上、ずっと実践し続けている。

「極上!めちゃモテ委員長」とは02ライン女ならみんな大好きな少女漫画誌・ちゃおで連載されていた漫画である。当時のませた女子小学生たちに絶大な支持を得ていた。
 その名の通りめちゃモテ委員長(を目指す元ヤン女子)が主人公で、作中では度々めちゃモテライフハックやめちゃモテ仕草が紹介される。私は、ここで読んだ服のシミの取り方(シミに当て布をして水と洗剤を含ませ上からタオルでトントンと叩く)とドライヤーの使い方(頭から20cmくらい離してクシでとかしながら乾かす)を、恐らく一生忘れないだろう。

 思い返してみると、ちゃおから教わったことはかなり多い気がする。
 初潮や精通に関する性教育は基本的に「ないしょのつぼみ」や「こっち向いて!みい子」から教わった。
 当時は気恥ずかしさの裏返しから何これエロ!と友だちと茶化しながら読んでいたけど、いま思うと正しい性の知識を楽しく身につけられる漫画ってかなり貴重だと思う。ジャンプとかコロコロ読んでてもそんな要素一切なかったしな。ないつぼは当時ロリコンの間でかなりヒットしたらしいが本当にキモい現象だと思う。
 調べて驚いたのだが、みい子は現在も連載が続いているらしい。1990年に始まって、今年で33年目。ちゃお界のこち亀である。
 東日本大震災から程なくして掲載された話で、福島から避難してきた転校生の新キャラが出てきたことを覚えている。漫画の中ではクラスメイトと先生が

「はーい先生、質問!」
「どうした○○」
「ホウシャノウってうつんないの?」
(静まり返る教室)
「…××(転校生)から放射能がうつったり、それが原因で病気になることは絶対にない!今後一切そういうことを言わないように!」

というやり取りをしていた。ニュアンスの記憶だけど。
 子どもにとっては難しいけど大切なトピックをこうやってコミカルに教えてくれる有難さが、大人になってからようやく理解できた。十年近く経った今でも記憶に残っているくらいなのだから相当衝撃だったのだと思う。

 話は変わって現在、DJ SODAが日本の音楽フェスで無理やり身体を触られた というニュースが流れてきて超ムカつくし悲しいし悔しいしみたいな気持ちなんだけど、子どもの頃にみんな正しい性教育を受けられていたらそんなことするヤバ大人錬成されなかったんじゃないのと思う。
 日本の保健体育の教科書では検閲で規制されるのでセックスの過程を詳しく描写できないらしい。
 たまたまちゃお読者だった私たちは漫画を通じて正しい性教育を受けられたけど、そうじゃない人たち、そういう機会が無かった人たちはどこでその知識を得たらいいんだろう。行政とか国とかがいち早くどうにかしろよ一刻も早くよ。
 興味ないとか堅苦しいとかそういう言葉でごまかせないくらいヤバい未来が近づいてきてる、気がする



 ちなみにちゃおで一番好きだった漫画はもりちかこ著「スパーク!ララナギはりけ~ん」です。気弱貧乏へたれ美少女が強気わがまま成金チビにガチ恋してその流れで中学女子バレーで天下を目指すというスポ根ぶっとびギャグ漫画です。ちゃおの漫画では恐らく史上初、男女間の恋愛描写がほとんど無いのですが、主人公ふたり間(一方的だけど)の明確な恋愛感情はたくさん見れます。
 テニプリとかイナイレに近い感じなのでいまリバイバルされたら絶対流行るだろうなあと思いながらたまに読み返してます。
 まじおすすめです。



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