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若者の早期離職…果たして「Z世代」だからなのか?

このnoteは、2024年3月13日にカケハシスカイソリューションズのメールマガジンで配信されたコラムをもとに作成しています。
コラムは、クライアントサクセス事業部ゼネラルマネジャーの尹が執筆しました。

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多くの企業は今、労働力の確保に苦心しています。
労働力人口の減少というマクロ要因に起因するのはもちろんのこと、いわゆる「Z世代」の早期離職が多いと嘆く声も聞かれます。
内定後のフォローアップに労力をかけ、入社後も新入社員研修でしっかり教育を施しているにもかかわらず、早期で離職するという負のサイクルに多くの企業が苦しんでいるようです。

団塊ジュニア世代の私が新社会人になったころは、「石の上にも三年」と、まずはどんな境遇であろうと3年は歯を食いしばってその場に留まり、頑張り抜く。
それがキャリア構築のための「体幹」となり、現在まで続くキャリア構築の力強い土台になるのだと信じていました。
現にあの時の頑張りが今の基盤となっているのは間違いありません。

なぜ早期離職が増えているのでしょうか。
時代は常に移り変わりますから、当時(25年前)の常識・価値観を現代に押し付ける気は毛頭ありませんが、今と25年前の何が違うのか、考えてみました。

違いは山ほどありますが、真っ先に思いつくのは「情報」へのアクセスのしやすさです。
スマホが普及し、ニュースサイトのみならず、SNSで様々な情報にすぐアクセスできる環境になったことで、他の人のキャリアが良く見えるようになりました。
「隣の芝は青く見える」とは昔からよく言われてきましたが、情報にアクセスしやすくなることで、隣の芝が「近くて」青く見えるようになったことが、早期離職の引き金になっているのでは、と感じます。
他のキャリアに目移りしやすくなったのは間違いないでしょう。

しかし、それだけが「早期離職」の原因でしょうか。
私が新社会人になった25年前は、「若者の早期離職」はなかったのでしょうか。

参考:厚生労働省「新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率

厚生労働省が公表している「新規学卒者の就職後3年以内離職率」を見ると、多少の増減はあるもの、離職率は総じて30%強で推移しています。
そして、私が新社会人となった平成9年をみてみると、最新数値である令和2年より、3年以内離職率は0.2ポイント高い数値となっています。
このことから、昔も今と同じだけ若者の早期離職はあり、Z世代だけが早期離職が多いわけではないことがわかります。
むしろ平成以降で見た場合、令和になって3年以内離職率は少し改善しています。
つまり、「最近の若者はすぐ辞める…」は、今も昔も変っていないのです。

そう考えると、「最近の若者」は、隣の芝が「近く」青く見えるようになったことで、早期に自分のキャリアを見つめるようになったとも言えるでしょう。
逆に団塊ジュニア世代である私の時は、「石の上にも三年」という言い伝えを身にまとい、早期から「自分でキャリアについて考える」ことから逃げていたのでは…とも思えます。

Z世代は「早期離職しやすい世代である」と諦めるのではなく、早くから自分のキャリアを冷静に見つめ、行動できる、時代に合った実にクレバーな行動様式を持っている世代と捉え、彼らにメリットのある職場環境を作ることが、Z世代の定着を促すヒントになるのかもしれません。

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