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ヨルシカ「靴の花火」の歌詞を解釈してストーリー仕立てにしてみた。

※歌詞を個人的に解釈したもの(ストーリー)の下に歌詞の一部分を引用しています。ご自身で歌詞を見ながら読んでいただければと思います。


ねぇ。
なにか言ってよ。

君はただそこに死んでいた。
口は空いたまま。
何か言いたそうだったけど
目の方が気持ちを伝えていたね。
悲しかったって。

ねぇ ねぇ
何か言おうにも言葉足らずだ

それすらもボクは忘れ始めている。
だって君の笑ってる顔が好きだったから。
想い出の中の君は、いつも笑ってるんだ。
ボクの脳は虫に食べられ始めたから
そろそろボクも行かないといけないみたいだ。

忘れていくことは虫が食べ始めた結果だ

今、ボクは夕暮れの中を飛んでいる。
赤く染まる西の空。
東の方はもう、君の世界。夜だ。

このままひたすら上を目指す。
空気も薄くなってきた。
真下には君の居た街も見える。
その街を見たときに、ボクは君に触れた。
こんなところにも居たんだね。

夕暮れた色 空を飛んで
このまま大気さえ飛び出して

君が残していった心とか魂とか精神とかが
この上空に残っていたみたい。この場所に。
それに触れたとき、君が散った夏にボクは戻された。
君が死んだとき、足元には花火が上がっていたんだね。
大きな花が、空に咲いていたんだね。

靴の先に花が咲いた

ねぇ。ボクは君を誇りに思ってるんだ。
でもボクを置いていってしまった。
君が居なくなったあとの世界では
気分が晴れることなんてなくなってしまった。
でも、空だけは綺麗なままだよ。

ねぇ ねぇ
君を知ろうにもどっちつかずだ

生きるために命を奪うことを、君はやめたんだね。
ボクが生きるために奪った命も、できれば返してあげたいけれど
今更、そんなことを言っても仕方ないね。
君より長く生きたボクは、それだけ多くの命を奪ってきてしまった。

僕の食べた物

朝焼けの中を飛んだこともあったよ。
そのときのボクは、大事なことも思い出せなくなっていた。
だから目を閉じて君のことだけを思い出そうとした。
そうしたら
花火の音が聞こえたよ。
大きな花火の音。君が聞いた音。
悲しい音だった。夏だった。

朝焼けた色 空を舞って

ねぇ。色んな所に君が居るよ。
君を思い出すとき。それはきっと空に舞う君に触れたとき。
君が残していった心が、ぼくに触れたときなんだと思う。

ねぇ ねぇ
空を飛ぼうにも終わり知らずだ

今ボクは、夕暮れの中を飛んでいる。
君が残した夏の記憶に触れているから
今ボクはいつを生きているのかわからない。
でも足元を見ると、つま先のあたりに見えるのは
君が居た街だ。

夕暮れた色 空を飛んで

夏の空に花が咲いてたんだね。
大きな花が。
いつまでも泣いていたい。
そんなことを憶っていたんだね。

君の思いが消えていく。
ボクの身体もだんだん冷たくなっていくのがわかるよ。
君の夏が消えて、夜も消えて。ボクも消えるみたいだ。

夏の空に花が咲いた


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