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小説『egg』執筆中

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2作目になる小説『egg』を執筆中です。三部構成なのですが、ようやく第一・二部完結。第一部は1964年の夫婦関係を、第二部は夫婦の長男が中2になったときの家族の在り方を書きました… もっと読む
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記事一覧

egg(46)

第二十章 「ただいま」 人気のない自宅のリビングに帰ってきたわたしこと高藤由美は、ポス…

オカキ
7日前
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egg(45)

第十九章 「ギャラ! ちょっと待って!」 キャンパスを走り回っていた岡田葵は、大学のバ…

オカキ
11日前
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egg(44)

第十八章 岡田葵は西島秀樹ことギャラが高藤由美の頬にキスするところを目の前で見て、胸…

オカキ
11日前
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egg(43)

しばらく止めていましたが、再開します。Endまであともう少しです。 第十七章 「ねえねえ、…

オカキ
2週間前
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egg(42)

第十六章 ピンポーン。 玄関のチャイムが鳴った。 しばらくすると、再びチャイムが鳴る。…

オカキ
3か月前
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egg(41)

第十五章 「哲治はねえ、今は宮城にいるのよ」 わたしこと高藤由美の祖母であるいちは、お…

オカキ
3か月前
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egg(40)

第十四章 おばあちゃんの高藤いちが驚いたように目を丸くした。そしてこめかみに手をやって斜め上を見やり、しばらくじっと何かを考えているようだった。わたしこと高藤由美は何も言わずに待った。そんなわたしの真剣な様子を見て、おばあちゃんは深いため息をついて呟いた。 「まったく弘子はおしゃべりだねえ」 「知ってるの!?」 思わず大きな声になる。ウエイトレスにこちらを見られたけど関係ない。わたしはおばあちゃんに喰ってかかった。 「何で? 何で教えてくれなかったの! お兄ちゃんは今

egg(39)

第十三章 お父さんの高藤隆治が倒れて入院した。お母さんの恵美と、わたしこと高藤由美が…

オカキ
3か月前
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egg(38)

第十二章 銀行業界誌の編集長である高藤隆治は、2年前に合併をした「あかね銀行」の応接…

オカキ
3か月前
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egg(37)

第十一章 五日後。日照大学の人事担当から電話が来て、面接の日程が告げられた。弘子おば…

オカキ
4か月前
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egg(36)

第十章 「14年前、哲治はバイクにはねられて意識不明の重体だったけど、奇跡的に一命を…

オカキ
4か月前
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egg(35)

第九章 「え!? お兄ちゃん、ですか?」 わたしこと高藤由美は、久々に兄の哲治の名前を…

オカキ
4か月前
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egg(34)

第八章 西武新宿線の高田馬場駅のトイレで、わたしこと高藤由美は激しい下痢と戦っていた…

オカキ
5か月前
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egg(33)

第七章 今日は日曜日。珍しく朝からお父さんの高藤隆治が自宅にいるせいか、朝食にサラダやフルーツも出ていて盛りだくさんだ。3人そろってキッチンのテーブルにいるのは久しぶり。わたしこと高藤由美はお母さんの恵美と向かい合った席に座った。 新聞を読んでいたお父さんがわたしに尋ねた。 「由美、就職活動はどうなっているんだ?」 わたしはコーヒーに口を付けてから答えた。 「うん。この前会社の面接を受けてきたよ」 お父さんが新聞と老眼鏡をテーブルに置いた。 「そうか! どの会社だ?」