見出し画像

能『鍾馗』・狂言『墨塗』鑑賞

2022年10月14日、国立能楽堂で、外国人のための能楽鑑賞教室 (Discover NOH & KYOGEN)を鑑賞して来ました。
演目は、狂言『墨塗』と能『鍾馗』です。
以下、コメントを記載します。

■狂言『墨塗』
ストーリーは押さえて行ったので、落ち着いて観られました。
気の強い女性がアドでしたが、男性が狂言で女性を演じるとこうなるのか、衣装はこのようなものか、と思いながら見ました。
最後に、大名・太郎冠者・女性が絡む場面は面白かったです。

■能『鍾馗(しょうき)』
これまでいくつか能を観て来ましたが、私にとっては、これまでで一番面白い(心にフィットする)能でした。鑑賞後の余韻に浸りながら、文章を書いています。

あらすじを簡単に書くと、以下のとおり。
中国で科挙試験に落第した男性が自殺して霊となります。前場では世の無常を謡い、後場では国土を守る善神(鬼)として登場します。

私も(試験に落ちるような)似た経験があり、無常を謡う詞章にも心を惹かれました。これまで観た能では三番目物の比率が高く、こうした独身男性が主人公の演目が、ここまで心にフィットするとは思いませんでした。

人間には様々な煩悩があり、人それぞれなのだと思います。能を見ながら、自分の心を見つめなおし、救われることもあるのだな、と最近思うようになりました。

この『鍾馗』は、金春禅竹(世阿弥の娘婿)が創作したらしいと言われ、金春禅竹にも関心を持つようになりました。このように、少しずつ関心を広めて行きたいと思います。

<その他の情報>
・今回は宝生流
・シテ/鍾馗の霊は、佐野登さん
・前シテの能面は、筋怪士(すじあやかし)
・後シテの能面は、小癋見(こべしみ)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?