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【演劇】夏の夜の夢(文学座)

 2023年6月29日(木)、会社帰りに、新宿の紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAに、文学座の『夏の夜の夢』を観に行きました。シェイクスピア原作です。上演期間は6月29日(木)〜7月7日(金)となっています。
 以下、メモを残します。

■紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAについて
 新宿の紀伊国屋書店には、東口の「紀伊国屋ホール」と、南口の「紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA」があります。
 私が「紀伊国屋サザンシアター」を訪れるのは、今回で2回目です。1回目は1999年4月の『ガラスの動物園』でした。この劇場の開業が1996年なので、開業からそれほど経っていない時期でした。
 そして今回が2回目。開業から25年ほど経っていますが、それでも(紀伊国屋ホールと比べる部分もあって)新しく感じました。

■『夏の夜の夢』簡単なあらすじ

 アテネ公シーシュースとアマゾン国のヒポリタとの結婚式が間近に迫っている。結婚式の余興をするために、6人の職人が森に集まることにする。
恋仲の若者たち <中略> ライサンダーとハーミアは駆け落ちして森で会うことにし、ハーミアはこのことを友人ヘレナに打ち明ける。ディミートリアスを愛しているヘレナは二人の後を追う。
 かくして、10人の人間が、夏至の夜に妖精の集う森へ出かけていくことになる。
 森では妖精王オーベロンと女王タイテーニアが喧嘩の最中。機嫌を損ねたオーベロンはパックを使って、タイテーニアのまぶたに花の汁から作った媚薬をぬらせることにする。
 恋に盲目となった人間たちと、そそっかしい妖精たちが巻き起こす大混乱の行く末は…。

文学座のホームページより

■メモと感想①:シェイクスピアの喜劇について
 結論から述べると、「こんなに面白い作品だったんだ!」と驚きました。

 これまで、シェイクスピアの作品は『ハムレット』など悲劇を観たことがあり、重厚でかっちりとしている印象でした。台詞回しの面白さも、そこまで実感出来ていませんでした。

 他方、今回の『夏の夜の夢』は喜劇です。様々な要素がありますが、何より役者の方々の台詞回しが軽やかで、かなり細かいところまで聞き取ることが出来ました。役者の方々の滑舌の良さなどもあるのでしょうが、シェイクスピアが書いた台詞の上手さに加え、翻訳者である小田島雄志さんの訳の素晴らしさ、リズム感の良さを感じることが出来ました。
 そして、特に4人の若者の恋を巡る喜劇性は、身体を使った生き生きとした演技で、恋愛対象を「取っ替え引っ替え」する感じが、とても楽しかったです。
 シェイクスピア作品で、観るなら「悲劇」よりも「喜劇」が面白いかもしれないと思いました。(一般的にはどういう風に言われているかは、後で調べてみます。)

追記:
 演出は鵜山仁さんでした。そして、舞台上での音楽・演奏されていたお二人が、芳垣安洋さんと高良久美子さんなのでしょうか。音楽の実演奏が組み込まれていたのですが、そんな大音量ではなく、役者さん達の台詞に溶け込んでいるような感じがしました。

■メモと感想②:劇中劇について
 恋人たちの話とは別に、結婚式の余興をするために集まった6人の職人たちの話が、私の想像より大きな比重をしめていました。彼らの余興は1つの劇中劇でした。
 現代の演出もありますが、シェイクスピア(1564年〜1616年)が生きた時代の職人たちやその生活、更に遡って、古代への憧れのようなものを感じました。ここら辺はもう少し調べてみないといけませんが、重層的な感じを受けました。

■メモと感想③:配役について(ネタバレあり)
 本作では、シーシュース役がオーベロン役を演じたり、職人たちが妖精たちを演じたり、一人二役ぐらいを演じていました。
 一人二役演じて、現実の人間界と妖精たちの世界を重ねて見せるのが一般的(?)なのか分かりませんが、シェイクスピアの面白さの1つのように思いました。

■最後に
 今回の舞台を観て、難しそうで古典的に感じていたシェイクスピアを、少し身近に感じることが出来ました。あと、文学座の舞台は初めてでしたが、とても面白かったです。
 最近、舞台を観るペースが少し早いのですが、細く長く続けられたらなぁ、と思います。

追記があるかもしれませんが、本日は以上です。

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